『Call of Duty』過去3作品がSteamでお安く初登場。マイクロソフトの意向を汲んだ作品展開か

 
『CoD: Black Ops Cold War』

Activision Blizzardは3月9日、Steamで『Call of Duty』シリーズ(以下、『CoD』)過去3作品を発売した。登場したのは、『CoD: Modern Warfare』『CoD: Black Ops Cold War』『CoD: Vanguard』。3作品とも定価8690円(税込)のところ、50%オフの4345円(税込)でセール中だ。セール期間は、日本時間で3月24日午前2時までとなっている。

『CoD: Black Ops Cold War』


2022年に発売された最新作を除いて、Steamで『CoD』シリーズが販売されるのは2017年の『CoD: WWⅡ』以来となり、翌年の『CoD: Black Ops 4』から同シリーズの販売が途絶えていた。そして2022年になって『CoD: Modern WarfareⅡ』がSteamで発売されるようになった。今回Steamに初登場した過去作たちは、この空白期間に発売された3作品である。

今回の発売で、Steamではほぼすべての『CoD』シリーズ作品が揃うこととなった。引き続いてSteamで遊ぶことのできない作品は『CoD: Black Ops 4』・『CoD: Modern Warfare 2 Campaign Remastared』、またPCに移植されなかった『CoD3』となる。

『CoD: Vanguard』


今回のSteamでの過去作の登場には、マイクロソフトの作品展開に関する姿勢が関連しているだろう。同社は2022年の1月に、Activision Blizzardを買収することを発表した。Activision Blizzardは『CoD』や『オーバーウォッチ』などの人気タイトルを抱える、ゲーム開発会社。この買収にあたってマイクロソフトは、これらの作品を独占することはないとの立場を繰り返し表明しているのである。

マイクロソフトは、自社のゲームプラットフォームであるXboxを保有している。しかし「より多くの人々に作品を届けるため」として、広いプラットフォームで『CoD』を遊ぶことができるようにしていくようだ。マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は、任天堂プラットフォームやSteamにおいても『CoD』シリーズ作品を提供していく、と確約している。買収はいまだ完了していないものの、そうした発表との言行一致のために、Activision Blizzard側も協調し今回のSteam展開が実施されたと見られる。

なお昨月には、マイクロソフトと任天堂との間で、任天堂プラットフォームに向けて『CoD』シリーズ作品を10年間提供する契約合意が成立した(関連記事)。任天堂に提供される『CoD』シリーズ作品はXbox版と同時発売され、同じ機能・コンテンツを収録するとのこと。今回のSteamへの『CoD』過去作配信からもみられるように、マイクロソフトは幅広いゲーム提供のかたちを目指していくのだろう。

CoD: Modern Warfare』『CoD: Black Ops Cold War』『CoD: Vanguard』Steam版は、いずれも定価8690円(税込)のところ、50%オフの4345円(税込)で配信中だ。