期待の協力シューター『Redfall』のメディアによる先行プレイ映像が“下手だ”と批判集める。その映像はゲームの魅力を引き出しているか?

Bethesda Softworksが5月2日に発売を予定している『Redfall』。米IGNが独占公開した本作の先行プレイ映像での“ゲームプレイが下手すぎる”として、多くのユーザーからの批判が寄せられている。

Bethesda Softworksが5月2日に発売を予定している『Redfall』。米IGNは4月8日、本作の先行プレイ映像を独占公開した。一方で映像での“ゲームプレイが下手すぎる”として、多くのユーザーからの批判が寄せられている。


『Redfall』は協力プレイ対応のオープンワールドFPSだ。対応プラットフォームはPC(Steam/Microsoft Store)およびXbox Series X|S。Xbox Game Pass/PC Game Pass加入者向けにも提供される見込み。開発はArkane Studiosが担当する。本作ではソロプレイまたは最大4人での協力プレイが可能。舞台となるのは吸血鬼の軍団に支配されてしまったアメリカの田舎町Redfall(レッドフォール)。プレイヤーは、個性豊かなキャラクターを操り、人々が吸血鬼に変異した原因を突き止める。

本作には個性豊かな4人のキャラが登場することが明かされている。テレキネシスを用いるレイラ、小さなロボットとともに戦う工兵レミ、“亡霊のカラス”で索敵するスナイパーのジェイコブ、そしてテレポート装置などを用いる発明家のデヴィンダー。それぞれの能力を活かして戦い、吸血鬼に支配された町を解放するのだ。


今回、米IGNの公開したゲームプレイ映像が一風変わった注目を集めている。動画は3人協力プレイで、本作の強敵Rookと戦闘する様子が収録されている。IGNが独占で先行プレイ時などの映像を届ける「IGN First」として公開された。

約3分にわたる動画の内容は、Rookに苦戦しつつも、なんとか勝利を収めるといった内容だ。一見すると普通のゲームプレイ映像ながら、本動画には多数のユーザーからの批判が寄せられている。“プレイが下手すぎる”点に注目が集まっているのだ。「人生初のゲームをプレイした映像としては凄くうまい」「弟にコントローラーを渡したとき」といった痛烈な皮肉のほか、批判も寄せられている。

では実際のところ、動画ではどのようなプレイが繰り広げられているのだろうか。まず、動画のプレイヤーは、デヴィンダーのテレポート装置「トランスロケーター」を使用。装置を投げて移動できる能力であり、屋根の上に移動して狙撃場所を確保するような使い方も可能とされる(Xbox Wire)。一方でIGNの動画では装置の投てきこそしているものの、使い方が分からないのか実際にテレポートするシーンは皆無。範囲内に電撃で攻撃する「アーク・ジャベリン」もあまり活用できておらず、キャラの特徴がほとんどわからない。

さらに動画は、デヴィンダーの特徴だけでなくゲームの特徴もピンときにくい内容。プレイヤーたちはRookにかなり苦戦しており、ほかのプレイヤーがダウンしているシーンやカットシーンが多い。プレイヤー同士の協力もあまりみられず、映像の大半は“逃げながら時々撃つ”のみ。そのほかスライディング操作にも失敗しつづけたり、狭い場所でスナイパーライフルを取り出したりと、テンポの悪さやゲームへの不慣れさを感じる映像となっている。

たしかに、かなりぎこちないものの、過去にメディアがゲーム映像を投稿し批判された事例である『Cuphead』や『DOOM(2016)』のプレイよりは、ずっとうまい(関連記事)。ゲームのルールは理解しており、最低限のプレイはできている。ではなぜこれほど批判されているのだろうか。


まずは作品への期待度だろう。本作を手がけるArkane Studiosは高評価を受けた『DEATHLOOP』や『Dishonored』シリーズを開発したスタジオだ。同スタジオの次回作となる本作『Redfall』は、オープンワールドや協力プレイといった要素を盛り込んだ意欲的なタイトルであり、注目度も高い。

その独占先行プレイ映像として公開された動画が、上記のように拙いゲームプレイ映像となっていれば、ファンとしてはもどかしい思いもあるはず。ゲーム内容を理解したプレイをしていなければ、情報としても薄くなり、ゲームの魅力がうまく伝わらないからだ。あとは、単純に見ていてイライラするだろう。公式が公開した映像ならば、その点含めてメッセージ性を感じる可能性もあるが、第三者のメディアが“ぼちぼち下手”な映像を、独占として公開することに憤る気持ちは理解できないでもない。

またコメント欄では「このクオリティの動画で撮り直しもしていない」といった批判も見られる。ゲームメディアはゲームを遊び伝えるのが本業。そんな中で、ゲーム自体の腕も悪く、かつゲームを魅力的に見せられていない映像を、何の疑いもなく投稿していそうな点も、批判ポイントになっているようだ。昨今では、メーカーから一次情報が得やすくなっており、ゲームメディアの存在意義が問われている。あるいは「ゲームへのリスペクトが足りない」「ゲームを自己の主張として利用する」といった観点でゲームジャーナリストは揶揄されることも多い。そうして鬱積されたゲームメディアへの不信感が、この動画への怒りとして発露されているように見える。


批判が寄せられることになった『Redfall』の先行プレイ映像。ゲームコンテンツを扱う上で必ずしもゲームがうまくある必要はないが、特にメディアの公開する先行独占プレイ映像では、ゲームの特徴を伝えられるようなゲームへの理解や一定のプレイの腕前が求められる側面があるのは確かだろう。

『Redfall』はPC(Steam/Microsoft Store)およびXbox Series X|S向けに、5月2日発売予定。Xbox Game Pass/PC Game Pass加入者向けにも提供される。

【UPDATE 2022/4/11 15:57】
対応プラットフォームについての記載を修正

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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