開発元閉鎖される吸血鬼FPS『Redfall』オフラインモードなどを実装する“最後のアップデート”開発中。スタジオ閉鎖決まるも、一転して最終アプデは開発続行

 

Bethesda Softworksは5月18日、『Redfall』向けとして最後のアップデートを開発中であることを明らかにした。本作はPC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。

本作は、Arkane StudiosのArkane Austin が手がけた、最大4人オンライン協力プレイ対応のオープンワールドFPSだ。舞台となるのは、マサチューセッツ州の島にある街レッドフォール。4人登場するプレイアブルキャラクターはそれぞれ独自のアビリティをもち、島を探索しながら武器やアップグレードを獲得しながら、レッドフォールを支配する吸血鬼の軍勢と戦う。

『Redfall』の開発元Arkane Austinは先日5月7日、同じくBethesda傘下にあるTango GameworksやAlpha Dog Games、Roundhouse Studiosと共に閉鎖されることが決定。当時の発表では、本作のオンラインサーバーは稼働させ続け、ユーザーは引き続きプレイ可能であるものの、スタジオ閉鎖に伴い本作の開発は終了し、新たなアップデート配信もおこなわないと告知されていた(関連記事)。しかし今回、“最後のアップデート”が開発中であることが『Redfall』X公式アカウントの投稿により明らかにされた。

本作としての第4弾にして最後となるアップデートの内容としては、まずオフラインモードの導入が挙げられた。現状はプレイするにはインターネット接続が必須であるところ、オフラインでシングルプレイを楽しめるモードが導入される模様。同モードについては本作のディレクターHarvey Smith氏が以前、ユーザーの事情によって必要とされている機能であると理解を示し、セーブファイルの扱いやUIの調整など、導入に向けた作業を始めていると述べていた(Eurogamer)。

アップデートではこのほか、強化された吸血鬼が存在する精神空間ネストおよび近隣ミッションのシステムの刷新、シングルプレイ時の一時停止機能の追加なども予定しているとのこと。さらなる詳細については近日中に発表される。

本作は、『Prey(2017)』を手がけたArkane Austinの新作として期待を集めていたが、2023年5月に発売されると、ゲームのパフォーマンス面や敵AIの問題、バグの多さなどが指摘。メディアレビュー・ユーザーレビュー共に低評価となった。当時、マイクロソフトのゲーム部門CEOでXbox事業を率いるPhil Spencer氏は、ファンに謝罪したうえで、本作の改善に取り組むと約束(Kinda Funny)。その後何度かアップデートが配信されたものの、評価向上を果たせぬまま開発元の閉鎖が発表された。

そして今回、当初の告知から一転して新たなアップデートが配信されることに。ちなみに、Tango Gameworksの『Hi-Fi RUSH』においても、同スタジオの閉鎖が決まった後に最後のアップデートが配信されており、これに続く格好となった(関連記事)。Arkane Austinの閉鎖は決定しており、これが最後のアップデートとなってしまうが、それによって汚名返上につながるのかどうか注目されそうだ。


一方で、今回の発表ではDLCについては言及されなかった。本作では、当初プレイアブルキャラクターの追加などが計画され、「Bite Back Edition」同梱のHero Passを通じても入手可能とされていた。Arkane Austinの閉鎖が発表された当時には、ほんの数時間前までDLC開発を続けていたらしき痕跡が注目されたが、こちらについては配信見送りのままとなったようだ。Hero Pass所有者に対しては、何らかの補償がおこなわれる予定となっている。

『Redfall』は、PC(Steam/Epic Gamesストア/Microsoft Store)/Xbox Series X|S向けに発売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。