百合ループADV『早咲きのくろゆり』Steamストアページ公開。“ワードの割り込み”で悲劇を回避する、少女たちの青春と葛藤

 

ゲーム制作ユニット1000-REKAは2月1日、『早咲きのくろゆり』のSteamストアページを公開した。同作はPC(Steam)向けに2023年リリース予定。ストアページ公開にあわせて、公式サイトなども公開されている。

『早咲きのくろゆり』は、ワードを入力して悲劇を回避する、百合ノベルADVである。本作の舞台は、新型ウイルスCLIIが大流行し、未成年が5割以上亡くなってから18年後の世界。ウイルスの完全収束から時間が経ち、人々はすっかり以前の日常を取り戻したが、社会には大きな爪痕や問題が残されていた。本作の主人公である笹森花は、私立苗代高等学校に通う3年生の少女だ。高校卒業が迫ったある日、花はかつて自分を救ってくれた少女・近江谷樹への好意に気がつく。花は、樹への気持ちを認めてはいけないものだと考え、感情に蓋をしながら日々を過ごす。しかし、そんな中で悲劇的な結末を迎えるループに巻き込まれてしまう。少女の恋と葛藤、悲劇的な結末を回避する物語が描かれていく。



笹森花は、日常を過ごす中でループに巻き込まれ、悲劇的な結末を繰り返す。一方、プレイヤーは彼女を見守り、少女たちを幸せに導く。本作では、基本的にノベルゲーム形式でストーリーが展開されるようだ。テキストを読み進めることによって、物語が進行。立ち絵やイベントCG、フルボイスによる演出で、少女の世界が豊かに表現される。

ただし本作にはスタンダードなノベルゲームと異なり、通常の選択肢が存在しないという。分岐は用意されているものの、単に読み進めているだけでは、悲劇的な結末に辿り着いてしまう。そこで本作では、プレイヤーが任意の場面に割り込み、ワードを入力して物語の流れを変えるようだ。具体的には、特定の会話中にテキスト入力欄を表示させ、特定の運命を変えるワードを入力すると、新たな展開が発生。ストーリー中から運命を変える単語を探し出し、特定の場面で入力することで、悲劇を回避していくのだろう。

また本作は百合がテーマとなっているものの、悪意のない男性キャラクターも登場し、少女たちの関係にも関わってくるという。ただしそうした要素や悲劇的な世界観は、主人公の“センチメンタルな患い”をリアルに演出するためのものであるそうだ。



本作は、河田貞次郎氏によるゲーム制作ユニット1000-REKAによって、制作が進められている。原案および原画を、フカヒレ氏が担当。同氏は、ホロライブ所属のVTuber戌神ころねさんのデザインなどを手がけてきたイラストレーターである。2022年に実施されたクラウドファンディングのキャンペーンページによると、1000-REKAの責任者である河田貞次郎氏とフカヒレ氏の何気ない会話がきっかけで、制作がスタート。「男の子がいるからこそ際立つ、女の子同士の切なくも色鮮やかでリアルな心の機微」などを表現することを目指して、本作は開発が進められているようだ。またシナリオは仰木サヤ氏、サウンドはZIZZ STUDIO、背景は金子わゆ氏が手がけている。

早咲きのくろゆり』は、PC(Steam)向けに2023年リリース予定だ。