『ライフ イズ ストレンジ』など手がけたDON’T NOD、赤字続きで「このままでは年内に資金が枯渇する」との監査報告。改善計画も不十分と見なされ、緊急審議へ

監査法人によると、DON’T NODの資金繰りは厳しい状況にあり、このままでは2026年11月までに手元資金が枯渇するという。

DON’T NODは6月17日に開催予定の株主総会に先立ち、監査法人による報告書を公開した。報告書ではDON’T NODの資金繰りが厳しい状況にあると分析されており、このままでは2026年11月までに手元資金が枯渇する見込みだという。海外メディアGamekultなどが報じている。

DON’T NODはフランス・パリに拠点を置くゲーム会社だ。『ライフ イズ ストレンジ』のナンバリングシリーズや『Vampyr』、『Tell Me Why』など物語重視の高評価作品をさまざま開発してきたことで知られる。直近では2026年4月28日に、ふたりの宇宙飛行士が未知の惑星を生き延びるSFアドベンチャー『Aphelion』をリリースしている。

そんなDON’T NODの監査法人は6月1日、同社のキャッシュフローについて特別警戒報告書を公開した。同報告書では、DON’T NODの経営状況にリスクが存在しており、事業継続が危うくなる可能性が高いと分析されている。

報告書によると、DON’T NODは2026年4月7日時点で、約880万ユーロ(約16億円)の手元現金を有している。そしてこのままのペースで進んだ場合、新作『Aphelion』の収益やコスト削減効果などを考慮に入れても、追加資金調達をおこなわない場合は2026年11月までにキャッシュが枯渇する状況にあるとの分析をおこなっている。

『Aphelion』

そして分析を踏まえて監査法人は4月13日、DON’T NODに対して資金調達計画の説明を求める書簡を送付した。DON’T NODの回答では、ゲーム業界の大手企業と数か月にわたって協議を続けているものの、具体的な資金調達の提案には至っていないという。現在は協議を続けつつ、2027年にリリース予定だった新作「P14」の開発規模を縮小し、予定より早く発売することを検討しているとした。

監査法人はこの回答を検討した結果、現状の計画では事業継続性を担保するには不十分であると判断したという。5月28日付けの書簡で取締役会に対して現在の事実関係についての審議を要請し、現地時間の6月17日に開催予定の株主総会にて、会社の経営に関する複数の決議事項に対して株主投票がおこなわれる見込みとなっている。

なおDON’T NODは2021年にテンセントと業務提携契約を結んでおり、テンセントが約41.9%の株式を保有する筆頭株主となっている。しかし今回の報告書によると、テンセントは短期的な増資や開発資金提供の予定はないとDON’T NODに伝えているとのこと。株主総会でも大きな影響力を発揮すると見られるテンセントからの資金調達が難しい状況となったことで、見通しの厳しさが深まっているようだ。

『Lost Records: Bloom & Rage』

DON’T NODは新作タイトルの売上不振が続いており、2023年から2025年にかけて3年連続で赤字を計上。財務報告書によると、2024年のゲーム売上高は約330万ユーロ(約6億円)に留まり、総合では約6400万ユーロ(約110億円)の赤字に。2025年は『Lost Records: Bloom & Rage』のリリースによりゲームの売上高を約3倍の980万ユーロ(約18億円)まで伸ばしたものの、赤字を補うには至らず約3500万ユーロ(約65億円)の損失という決算になっている。2024年には複数のプロジェクトの開発を一時休止し、もっとも売上が見込める作品に注力するとの計画を発表していたものの、黒字転換には至っていない様子だ(関連記事)。

2026年4月にリリースされたばかりの最新作『Aphelion』も、Steamユーザ―レビューでは本稿執筆時点でレビュー数は約260件となっており、62%が好評とする「賛否両論」ステータス。あまり高い評価を得られておらず、売上面での苦戦も推測される。経営危機に陥ることが懸念されており、今後の状況を注視したい。

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Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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