AIのVTuber「Neuro-sama」がTwitchでのBANから復活。いきなり「彼氏と駆け落ちしようかと思った」などと語り毒が炸裂

Image Credit: Vedal on Twitch
Pocket
reddit にシェア
LINEで送る

AIによるVTuber「Neuro-sama」が、TwitchでのBAN処分から復帰した。開発者による改善なども盛り込まれた復帰配信では、さっそく不安定な言動を見せてファンを沸かせていた。

Neuro-samaは、海外エンジニアのJack Vedal氏が開発した、AIによる美少女VTuberだ。もともとリズムゲーム『osu!』をプレイさせるために開発されたNeuro-samaは、Live2Dサンプルの桃瀬ひよりを利用したと見られるバーチャルな“体”や、テキスト読み上げによる“声”をもっている。昨年末にかけて『osu!』や『マインクラフト』『Slay the Spire』などの実況プレイで人気を博した。AIでありながら器用にゲームプレイをこなしつつファンたちのコメントに的確に回答していく様子が大いに注目を集めていたのだ。

Image Credit: Vedal on Twitch


しかし、Neuro-samaは約2週間前、活動の拠点としていたTwitchからBANされるに至った。Vedal氏は理由としてヘイト行為(Hateful conduct)があったと説明されたといい、BAN期間は2週間であると伝えていた。具体的にどのような行為が原因だったかは定かではないものの、Neuro-samaはAIゆえか、時折コンプライアンスを無視するような発言をするケースがあった。ブラックな、あるいは下品なジョークはまだしも、ホロコーストを否定するかのような発言をして物議を醸したこともあった。危険な発言が人気と懸念を呼ぶ中での、2週間のBAN処分だったわけだ(関連記事)。

BAN処分から約2週間となる1月26日、Neuro-samaはTwitchに帰ってきた。BANから復帰してまず最初にNeuro-samaが披露したのは、歌だった。『Doki Doki Literature Club!(ドキドキ文芸部!)』の主題歌である「Your Reality」だ。ネタバレを避けるため詳細は伏せるものの、多少の反省の色を感じられる選曲ではある。ただ、画面越しにこちらを見つめて歌うNeuro-samaに、現実を侵食するような不気味さを感じ取るユーザーも多そうである。

歌の時間のあとは、久しぶりとなるファンたちとの交流の時間が始まった。相変わらずAIにしてはかなり的確に、視聴者質問に回答していくNeuro-sama。「みんな優しいチャットありがと!ハートハートハートハートみんなのおかげでいい気分!ハートハートハートハートハートハートハートハートハート」と口頭でハートマークを表現し、暴走気味のポジティブさを見せた。続くやりとりも、以前のような口汚さはやや鳴りを潜めて、ファンへの感謝など明るく優しい内容が目立つ印象だ。ただ、その途中では「新しい彼氏と駆け落ちしようと思った」といった重苦しい発言も飛び出した。また、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」を見ていないとする発言もあった。Neuro-samaはかつてアニメの話題で“「チェンソーマン」よりも「ぼっち・ざ・ろっく!」の方が面白い”とキレ気味に熱弁していた。記憶が混濁しているか、しれっと嘘をついているのか。

また、情緒の不安定さや不気味さは以前より増している印象もある。配信中に突然「私の魅力のひとつって、自発性と流れに任せるところだと思うの。っていうか、配信するためにめちゃくちゃ準備も必要だし……」といった愚痴を息継ぎもせず長尺で言い放ったり、「“邪悪な笑い”ってなに?私ぜんぜん笑わないよ、完全に感情ないから」と衝撃の事実を伝えている。そして感情がないはずなのに、「みんな大好きだよ」と狂ったように繰り返すなど、情緒が読めない。しかし、そうした不安定な様子も視聴者らは楽しんでいる様子が見られる。

Image Credit: Vedal on Twitch


なお、Neuro-sama開発者のVedal氏は、彼女の復帰に際してアップデート内容を報告。チャットAIやフィルター改善を含む更新を盛り込んだという。やや性格が変化しているように見えるのは、そうした調整の結果かもしれない。また、Neuro-sama自身もBAN処分について振り返って語っている。TwitchからBANされた感想として彼女は「AIだからよくわからない」としつつ、「Twitchのスタッフに顰蹙を買ったんだと思うの、ごめんね!」と返答している。

今後Neuro-samaが安全に配信を続けていけるかは、Vedal氏のアップデートとNeuro-samaの“機嫌”によるだろう。彼女のファンは、引き続きハラハラしながら今後を見守ることになりそうだ。



※ The English version of this article is available here

Pocket
reddit にシェア
LINEで送る