「号泣する男性の顔」がTwitterで大量増殖中。『メギド72』が繰り広げる奇妙すぎるプロモーションが話題

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突如Twitterを埋め尽くした、謎の号泣する男性の顔のアイコンが話題となっている。困惑する人々が多く見られるが、実はこれは、DeNAが提供するスマートフォン向けRPG『メギド72』の5周年記念企画として実施された「感謝の大号泣キャンペーン」なのである。キャンペーンに参加したユーザーたちのTwitterアイコンを、号泣しているゲームキャラの顔へと一斉に変えるというものだ。

『メギド72』のストーリーは、普通の人間が暮らす「ヴァイガルド」で生まれた主人公・ソロモンが、「ハルマニア」と「メギドラル」というふたつの異界間の戦争「ハルマゲドン」による破滅を食い止めるべく、メギドラルの住人である「メギド」たちを仲間に従えて冒険する、という内容である。

「号泣」は、『メギド72』を象徴する表情と言ってもいいだろう。サービス開始初期より、ソロモンとヒロイン・シバの女王が険しい表情で涙を流すイラストがキービジュアルのひとつとなっており、そのインパクトの強さからファンの間でも「号泣=メギド」はおなじみとなっていた。とはいえ、その「号泣顔」でアイコンをジャックするという発想に、さすがのファンたちも困惑を隠せないようだ。


また、通常このようなキャンペーンはPR目的も兼ねているため、ゲームタイトルなどを盛り込むのが一般的である。ところが、今回のアイコンにはただ「号泣5周年」とだけ書かれており、『メギド72』を知らない外野の人にとっては、ただただ「号泣する男の顔アイコンが大量発生した」としか見えなかったため、困惑の波が広がったようである。

結果的に大いにバズった「号泣アイコン」であるが、何も知らない人にとってはこうした宣伝活動の意味を推察することはなかなかに難しいだろう。なぜなら、これまでも『メギド72』はウケを狙っているのかどうかファンにもよく判らない、不思議な企画を数多く実施してきた実績があるからだ。

たとえば、「日本ゲーム大賞2019」でスマートフォン向けゲームとして唯一優秀賞を獲得した際には、キャライラストなどではなく“日本ゲーム大賞のエンブレム”をゲーム内で設定できるアイコンとして配布しており、その際もファンたちを大いに困惑させている。また、今回の号泣アイコンにも使われた号泣ソロモンのイラストを、(なぜかゲーム本編とはまったく関係のない)どら焼きの表面に焼き入れた「メギどら焼き」をグッズとして販売したこともある。

グッドスマイルカンパニーの販売ページより


ファンたちの想像の斜め上を行くような『メギド72』の施策の数々は、しばしば「トンチキ」という単語で表され、愛されてきた。

そんな『メギド72』であるが、その戦闘システムの奥深さやハードコアな表現も交じる壮大かつ繊細なストーリーがファンを惹きつけ続けており、それが5周年というサービス提供期間の長さにも結びついている。このゲームとしての生真面目さと、ファン向け企画やPRにおける、どこかふわっとしたとらえどころのなさのギャップの面白さが、今回の号泣アイコンのバズりにもつながっていると言えるだろう。ただし、こうした背景について何も知らない人にとっては、面白さより困惑の方が勝ちそうである。

5周年を前にして「東方編」がはじまり、新カテゴリのメギドが増えるなど、新たな展開を見せる『メギド72』。これを期に触れてみてはいかがだろうか。もしかしたら、あなたにとって「号泣」するほど愛するゲームになるかもしれない。


※ The English version of this article is available here

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3DCG好きのファミコン世代。ゲームの中で語られる物語と、ゲームの外で繰り広げられる物語がとても好きです。