『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にて“高速ダッシュ術”が発見される。Joy-Con2本でライド級に加速する力技

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ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にて、プレイヤーキャラを高速移動させる方法が発見された。その方法は、「2本のスティックで移動操作をする」という極めてシンプルな手段となっている。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、オープンワールドを採用。プレイヤーは舞台となるパルデア地方のフィールドを、自由度高く探索可能となっている。広大な世界ゆえに、プレイヤーはコライドン/ミライドンに乗っての高速な移動が可能。また、マップからのファストトラベルにあたる「そらをとぶ」機能もサポートしている。一方で、主人公キャラ自身もなかなかの健脚をもっている。ちょっとした移動なら、それなりの速度で進んでくれる。


そんな主人公キャラの移動速度を、飛躍的にアップさせる方法が話題となっている。Redditにて11月21日に、ユーザーであるhamsterhead64氏が報告している。同氏は投稿したスレッドにて、「ふたつめのJoy-ConをNintendo Switchに接続して、左スティックを角度をつけつつ同時に入力すると移動が高速化する」と報告。その様子をおさめた動画を送付している。

動画を見てみると、たしかに主人公キャラが通常より高速に移動している様子が見られる。また、動画の後半には操作中の手元も収められている。そちらでは、Nintendo Switchをもつ両手のそばに、追加の左手が出現。左スティックのダブル入力により、高速化がなされている様子がわかる。本来ジョイスティック1本でなされる入力が、2本でなされることによって、移動速度が増しているようなイメージだ。

この現象について、筆者も実際にJoy-Con2組を利用して検証した。すると、徒歩状態ではたしかに移動の高速化が発生することを確認できた。条件としては、報告者が述べた通りジョイスティックをまっすぐ正面ではなく、斜めに入力することで加速が発生するようだ。学校前の短い方の階段で計測したところ、通常のまっすぐ移動では階段を上りきるのに約5秒。斜め移動を繰り返すジグザグ移動では、約3秒まで高速化した。なお、コライドンでは同様の操作でも高速化は発生せず。それでも、約2秒での上り下りとなった。さすがに本職ライドポケモンには勝てないものの、かなりよい勝負といえる。左のJoy-Conを同時に操作するのはかなり奇妙な体験であり、キャラがあまりにシンプルに加速するため思わず笑ってしまった。なお、筆者は左手がひとつしかないため、両手に左のJoy-Conをもつかたちで操作・検証している。


なぜ、このような加速が起きるのかは現状不明だ。しかし、上述のRedditスレッドにて、とあるユーザーが有力に見える仮説を投稿している。同ユーザーが目をつけたのは、「ジョイスティックが実際に動ける範囲」と「ゲームが入力を受け付ける範囲」の差だ。

まず、Joy-Conのスティックを含むジョイスティックの入力は基本的に、X(横軸)とY(縦軸)の2軸の数値でゲームに入力される。スティックの倒れ具合を、コントローラーが数字として計測し、ゲームがその数字を解釈して、プレイヤーキャラの動きなどに反映するわけだ。そして、スティックのニュートラル状態を0として、縦横軸の最大まで倒すと-1もしくは1になるとしよう。たとえば、スティックを左に倒せば「X(横軸)が-1」、右に倒せば「Xが1」、ニュートラルに戻せば「Xが0」といった具合だ。縦軸も同様に計測されており、上から順に-1/0/1と変動。そうすると「どちらも-1なら左上」「どちらも1なら右下」「どちらも0ならニュートラル」といったかたちで、数字でスティックの位置を定義できるわけだ。その入力範囲は、下記画像のような四角としてイメージできるだろう。

Windowsのゲームコントローラー調整画面


一方で、実際にJoy-Conのスティックをおもいきり左上に倒しても、「Xが-1、Yが-1」といった最大値の入力にはならないだろう。実際には「Xが0.59、Xが0.59」といった中途半端な量になると考えられる。というのも、Joy-Conのスティックの可動範囲が円形だからである。物理的に円形にしか動けない以上、四角い入力範囲の四隅にあたる部分には、物理的に到達できないわけだ。そのため、斜め方向への入力については、少し中途半端な値がゲーム内では“実質最大”として扱われる場合がある。Joy-Conおよび『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の実際の仕様は不明なものの、似たような実装になっている可能性は高い。

Nintendo Switchにおけるスティック調整画面


そこで、第2のJoy-Conの出番である。ひとつのスティックでは「0.59」までしか到達できなかった入力量が、ふたつのスティックで同時に入力すれば最大値である-1や1に到達。入力範囲の限界を超えた数値によって、主人公キャラが加速した……というのが一連の仮説である。なお、元よりスティック1本で入力量が最大になる真上(直進)などのダブル入力では、加速が発生する様子は見られない。そうした点も、2本のスティックの協力による限界突破説を裏付けている。

とはいえ、本作ではコライドン/ミライドンの機動力が優秀であり、移動方法もゲームが進めば拡張される。Joy-Conを2台利用する高速移動術は、あまり利用するメリットはないだろう。一方で、序盤から一刻を争うスピードランへの利用は可能性がありそうだ。スピードランのレギュレーションにキャラ高速化がどう織り込まれるか、またキャラ高速化が将来修正されるかどうかも気になる点だ。

『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』は、Nintendo Switch向けに発売中だ。



※ The English version of this article is available here

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