高評価RPG『ディスコ エリジウム』主要開発者が、開発元ZA/UMを訴えたとの報道

 

高評価RPG『ディスコ エリジウム(Disco Elysium』の開発元ZA/UMが、同作の主要開発スタッフ側から訴えを起こされたようだ。現地エストニアのインターネット版官報にて発見された訴訟にまつわる情報を、海外メディアTech News Spaceが伝えている。

『ディスコ エリジウム』は、2019年に発売されたRPG。今年6月には、『ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット』として日本語版も発売された。プレイヤーは記憶喪失の刑事となり、相棒と共に殺人事件の真相を追う。主人公の脳内に多数存在する人格と対話しながらの、奥深く自由度の高いゲームプレイが特徴だ。本作を開発したのは、エストニアのスタジオであるZA/UMだ。


本作が高い評価を受ける一方で、先日には主要開発スタッフが“不本意に”同スタジオを離れていたとの証言が伝えられた。ZA/UMの設立メンバーでエディターのMartin Luiga氏が、『ディスコ エリジウム』のリードデザイナーRobert Kurvitz氏や、アートディレクターのAleksander Rostov氏、そしてリードライターのHelen Hindpere氏らが、昨年末に同スタジオを退職していたことを明らかにしたのだ(関連記事)。

またLuiga氏は、「スタジオの主導権が初期メンバー以外の者によって奪われた」といった旨もコメント。後のインタビューにて「一部スタッフは誤った前提に基づいて解雇された」とも語っていた(gamepressure)。Luiga氏は『ディスコ エリジウム』を手がけたZA/UMメンバーと、変化した同スタジオ体制の間で、なんらかの軋轢があったことを伝えていたわけだ。


そして今回、Kurvitz氏が設立したとされる会社Telomerによる、ZA/UMへの訴訟がTech News Spaceによって報道された。現地エストニアの電子官報であるRiigi Teatajaにて、一部情報が確認できる。趣旨としては、TelomerからZA/UMに対して、なんらかの情報へのアクセスを求める訴えとなっているようだ。ほかの詳細については明らかになっていないものの、Kurvitz氏が現在のZA/UMに対抗する動きを見せたのは間違いないだろう。なお、前述のLuiga氏もこの報道について言及。本作に登場する「思考」のひとつ「Law-Jaw/法の執行(法のあご)」の名をあげて反応している。

なお、同裁判については現地時間11月28日10時より、ハリュ郡裁判所にて開廷するとのこと。『ディスコ エリジウム』とその生みの親たち、そしてZA/UMを取り巻く状況は、今後さらなる動きを見せそうだ。