非日常青春フリーノベル『雨にして人を外れ』Steam版10月14日配信へ。ミステリアスな先輩と、雨雲に潜む不穏な影


国内のゲーム制作サークルD10RAMA(ジオラマ)10月8日、『雨にして人を外れ』Steam版を10月14日に配信すると発表した。本作は、PC向けのフリーゲームとしてノベルゲームコレクション/ふりーむ!にて公開中となっている。

『雨にして人を外れ』は、ミステリアスな先輩と殺人事件にまつわる非日常な青春を描く、短編ノベルゲームだ。本作の主人公である下地春也は、文芸部に所属する高校1年生の少年である。全国各地で発生している連続惨殺事件が世間を賑わせる中、主人公は変わり者の文芸部の先輩・赤羽雪乃と穏やかな高校生活を過ごしていた。

ある日、下地春也と赤羽雪乃は、遠方のあじさい園を訪れる。霧雨のあじさい園に人気はなく、少年にとって先輩と過ごす光景は幻想的ですらあったが、そこには巨大な影も潜んでいた。全国区の奇怪で残忍な殺人事件。足元を泳ぐ巨大な魚影。ミステリアスな先輩。不可思議な物事がひとつに繋がる時、少年は大きな選択を迫られる。一人の少年と変わり者の少女の、ボーイミーツガールが描かれていく。


主人公と先輩の物語は、ノベルゲーム形式で展開していく。白と黒を基調としたモノクロのグラフィックで、雨の降りしきる6月の世界を表現。主人公と先輩の軽妙なやり取りや少し不穏な空気、2人の静かなストーリーがテキストと絵によって描写されていく。公称プレイ時間は約60分。作中、選択肢によって物語が分岐し、2種類のエンディングが待ち受けている。両エンディングやおまけを含めて1時間ほどでプレイ可能な点や、1時間の中で物語を描ききっていることなどが特徴だろう。


本作を制作しているD10RAMAは、国内の同人ビジュアルノベル制作サークルである。サークル公式サイトによれば、2020年6月に宮城県・仙台で発足。本作以外に、『めもりり』『ひとつ屋根の下なのに』『みえない二等星』の3作品を、フリーゲームとして公開してきた。また本作『雨にして人を外れ』は、D10RAMAの第3弾作品として2021年8月25日にフリーゲームとして公開された。Steamのストアページによれば約10名ほどが関わり、制作されたようだ。

『雨にして人を外れ』Steam版は、10月14日に配信予定となっている。また本作はすでにフリーゲームとして公開中であり、ノベルゲームコレクションではPCおよびブラウザ、ふりーむ!ではPCからプレイ可能となっている。


なんでもやる雑食ゲーマー。作家性のある作品が好き。AUTOMATONでは国内インディーなどを担当します。