『Apex Legends』ローバの戦術アビリティは「単純な強化はしない」と開発者が発言。“楽しくなさ”解消を優先


『Apex Legends』におけるレジェンド「ローバ」の戦術アビリティを巡って、開発者とユーザーたちが激論を交わしたようだ。同アビリティについて「強化が必要だ」とするユーザーの意見に対し、開発者が調整意図を解説している。


『Apex Legends』におけるローバはシーズン5にて登場した、サポートクラスのレジェンドだ。戦術アビリティは「盗賊の相棒」。ジャンプドライブが搭載されたブレスレットを投げ、その場所にテレポートする能力だ。クールダウン時間は30秒。そしてアルティメットアビリティであるブラックマーケットでは、周囲の一定範囲にあるアイテムを収集可能。ブラックマーケットはほかのプレイヤーも利用できる。クールダウン時間は120秒となる。

今回Twitterにおいて、開発者とユーザーの間で、ローバの戦術アビリティを巡る議論が勃発した。ユーザーと議論を交わしたのは、本作のゲームデザイナーを務めるJohn Larson氏。同氏はローバの戦術アビリティに関して不満のあるユーザーからのリプライを受け、自身の見解を示している。

ローバを愛用していると見られるTwitterユーザーluwba氏はLarson氏に対し、ローバの戦術アビリティについて、パスファインダーの戦術アビリティのような可変クールダウン化、もしくはせめて25秒までクールダウン時間を減らしてほしいと要望。対するLarson氏は、5秒間のクールダウン時間短縮や可変クールダウン時間化といった調整は、根本的な解決にならないとの意向を示した。Larson氏は、「盗賊の相棒」のクールダウン時間の長さ以外の要素で、ユーザーに不満を与えている問題点 をより正確に追求しようと試みているとのこと。

一方でluwba氏は、Larson氏の返答に煮え切らない様子だ。luwba氏は自身の感じているローバの戦術アビリティの劣悪さを説明。アビリティ発動前後のアニメーションの詰まり(stuck)の存在や、移動速度の遅さを指摘した 。luwba氏はそうしたアビリティの使いづらさに比して、クールダウン時間が長すぎると考えているようだ。


Larson氏は、指摘のように使っていてストレスを感じる戦術アビリティについては、回転率をただ上げるだけでは、良い調整にはなりえないとコメント。「クールダウン時間を短く、あるいは可変にしてほしい」という当初のluwba氏の要望に対して、改めて否定的な見解を示した。一方でLarson氏は、luwba氏が今回語ったアニメーションや移動時間などの不満も踏まえ、今後もローバの戦術アビリティ改善を検討していくと伝えている。

なお、luwba氏の述べたローバの戦術アビリティの不満に対しては、別のユーザーである JMeyels氏も共感を表している。JMeyels氏はYouTubeにて『Apex Legends』関連のニュース動画を投稿している人物だ。JMeyels氏はluwba氏と同様の意見を示し、一連の動作を速めればアビリティの回転率も上がると指摘している。

別のユーザーによってさらに展開した議論に、Larson氏は対応を続けている。Larson氏いわく、ローバの強みは物資収集力にあるとのこと。アルティメットアビリティについての言及だろう。そしてLarson氏は、ローバの戦術アビリティを強化してしまうことで、物資収集に特化しながら戦闘面でも一流のレジェンドとなることを懸念しているようだ。またそうした意図を反映させるために、戦術アビリティのクールダウン時間の長さ(CD)や使用回数、そして効果の強弱など、あらゆる可能性が検討されているようだ。

JMeyels氏は、ローバのアルティメットアビリティの強力さやそれに伴うバランスの懸念といった、Larson氏の説明に納得を見せている。しかしJMeyels氏は、やはり戦術アビリティについては、使っていてもっと楽しくなるように調整してほしいと要望。これにはLarson氏も、ローバの戦術アビリティはさらに楽しくなる余地があるとの同意を示した。一方で同氏は、楽しさと強さは必ずしも相関関係にないとの見解を強調。ローバを強化することが必ずしも楽しさに繋がらないとの考えを示している。


Larson氏は過去に、競技シーンにおいてピック率の高いジブラルタルについて、「ユーザーらは楽しくはないのに必要に迫られて使われている」との見解を述べていた(関連記事)。ローバについても、ピック率を上げるような性能面の強化のみでは、プレイの楽しさに繋がらないと考えているのだろう。本稿であがったローバやジブラルタルも含め、今後の『Apex Legends』では誰がどのレジェンドで遊んでも楽しくなるような調整が期待される。