Steam版『バイオショック』シリーズ、“遊びやすさ”向上の新アプデが不評。全然向上してないとツッコミ集まる

 

2Kは9月3日、Steam版『BioShock(バイオショック)』シリーズ(リマスター版)に向けてQuality of Life(QoL/遊びやすさ)向上をうたうアップデートを実施。2Kランチャーを介したゲーム起動などの仕様が実装されている。一方で本アップデートに対するユーザーの反応は、否定的意見が中心のようだ。Eurogamerなどが伝えている。

『BioShock Infinite』


『BioShock』シリーズは、RPG要素を盛り込んだFPSゲームシリーズ。『BioShock』『BioShock 2』では、海底都市ラプチャーで物語が展開。シリーズのアイコン的存在でもあるビッグダディが登場する。『BioShock Infinite』では空に浮かぶ都市コロンビアへと舞台を移し、新たな物語が描かれた。『BioShock』『BioShock 2』はリマスター版が発売されている。

そんな『BioShock』シリーズに“QoLアップデート”が実施された。同アップデートにより、『BioShock』『BioShock2』『BioShock Infinite』ゲーム内に2Kアカウントへのリンク機能が実装されたほか、Steamクライアントからのゲーム起動時には、2Kランチャーを介して起動するように変更されている。

一方で、こうした機能の追加はユーザーの間で物議を醸しているようだ。海外掲示板RedditではSteamからの起動時に2Kランチャーを介するひと手間が加わったことに、不満をあらわにする声が散見される。Steam掲示板においてもそうした声は多く、2Kランチャーを介さずにゲームを起動する方法が模索されている様子である。

さらにRedditユーザーによると、今回のアップデートにより、おもにLinuxおよび同OSベースのSteamOSユーザーが本作を起動できなくなってしまったようだ。LinuxおよびSteamOS向けにはValveより、Windows向けのゲームをSteamにて動作させるためのProtonと呼ばれる互換レイヤーが提供されている。本アップデートで追加されたランチャーにより、このProtonを介したゲーム起動に問題が起きているようである。なおSteamOSは、Valve公式携帯型PCゲーム機Steam DeckにプリインストールされているOSでもある。遊びやすさを改善するどころか、あらたな問題が浮上したわけである。

またユーザーたちは、QoL向上をうたうランチャー実装の目的についても懐疑的な様子だ。Steamにおいては本作のほかにも、起動時に専用ランチャーを伴うゲームは存在する。そうした作品では、ランチャーにてDLCやSteamワークショップからダウンロードしたModなどを手軽に管理できるタイトルもある。そうした専用ランチャー自体については、あまり抵抗なく受け入れているユーザーも多い様子である。

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byu/Asakiro from discussion
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一方で『BioShock』シリーズに今回導入されたランチャーに備わっているのは、コンテンツの購入機能などで、目立った便利な機能はない。QoL(遊びやすさ)改善のアップデートをうたいながら、起動時の手間や一部環境での不具合だけが加わったかたちとなったわけだ。なお、ゲーム内でのアカウントリンクおよびランチャー導入のほかに、本アップデートによる変更点が存在するのかどうかは不明である。

ユーザーの議論を招くことになったSteam版『BioShock』シリーズのアップデート。『BioShock』シリーズの各作品には、昨年9月ごろから密かに複数のアップデートが重ねられていた(SteamDB)。そうしたアップデートの動きは、このたびのランチャー導入のためにおこなわれていたとも考えられる。いずれにせよ今後、ユーザーの賛否やLinuxユーザーの問題を受けて何らかの対応がなされることはあるのだろうか。動向が注目される。