『Half-Life 2』の非公式Mod『Entropy : Zero 2』が好調。部隊を率いて『Portal』風タレットで敵を倒す、とあるコンバイン兵の物語

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傑作FPSゲーム『Half-Life 2』(以下、『HL2』)の、とあるModが現在人気を博している。8月20日にリリースされた『HL2』向けMod『Entropy : Zero 2』(以下、『EZ2』)が、Steam同時接続者数3000人を記録した。さらに記事執筆時点でのSteamユーザーレビューでは、2712件中98%が好評の「圧倒的に好評」ステータスを獲得。『HL2』非公式Modとして、確実な人気を得ているようだ。

『EZ2』は、Breadman氏が開発した『HL2』用のキャンペーンModだ。『Half-Life』シリーズといえば傑作FPSタイトルであると共に、新作発表までのスパンが極めて長いことでも知られる。2020年にVR用ゲーム『Half-Life: Alyx』がSteam向けにリリースされたのを最後に、同シリーズの展開についてValveから正式な発表は出ていない。『Half-Life 3』については、もはやファンの間では半ば「もう出ないだろう」と諦観されており、ネットミームと化している。ファンの間では、数多くのModが作られてきた。中でも『HL2』とストーリー上のつながりをもつ、いわばDLCやスピンオフ的なModも人気がある。このたび公開された『EZ2』もその一つであり、娘を失ったとあるコンバイン兵の物語を描く作品だ。


プレイヤーはコンバイン兵のAiden Walkerとして、『HL2』本編にも登場したモスマン博士の拘束を目的とした作戦に参加する。プレイ中は本Mod独自の武器や敵が出現するほか、プレイヤーがコンバイン兵の部隊を率いて戦闘に挑むといった場面も。また特徴的な要素として、パズルFPS『Portal』風のタレットが登場。『HL2』のタレットと同様、敵の侵入経路に配置することで、自動で索敵・攻撃をおこなう戦略的ギミックとして活躍する。

そのほかにもAperture Laboratoriesのロゴや、合成音声で話すAperture Science製人工知能など、『Portal』シリーズプレイヤーにはなじみ深い要素が盛りだくさん。Valveが手がけた人気作品の共演が楽しめる。もとより『Portal』シリーズは、作中で『Half-Life』シリーズと世界観を共有していることが示唆されている。そのため、かねてより双方の作品をかけあわせたファンフィクションが楽しまれてきたという経緯があるのだ。


『EZ2』開発チーム“Breadmen”を率いるBreadman氏によれば、『EZ2』の開発には5年の歳月を要したとのこと。ボリュームとしては7~9時間程度のプレイ時間を見込んでおり、シナリオは字幕付きのフルボイスで展開されるなど、充実した内容になっている。なお、本ModはSteamにて無料で配布中。Steam版『HL2』を所持していれば誰でも無料で導入できるため、プレイするための敷居が低いことも人気の理由の一つだろう。なお、前作『Entropy : Zero』は『Half-Life 2 : Episode 2』向けModとして公開されている。こちらもSteamにて高評価を獲得しているため、触れてみるのもよいだろう。

『HL2』が最初にリリースされてから今年で18年になる。『EZ2』のような力作Modが生まれるのは、長い年月を経てもなお『HL2』が根強い支持を得ていることの証左だ。『Half-Life 3』が出なくとも、プレイヤーやMod製作者たちのシリーズへの愛は紡がれていくことだろう。

『Half-Life 2』向けキャンペーンMod『Entropy : Zero 2』は、Steamにて無料配布中。Steam版『Half-Life 2』を所持していれば、誰でも無料で導入・プレイ可能だ。

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