『Portal 2』ファンメイドMod「Portal: Revolution」無料配信され大盛況。有志制作エンジン採用で新メカニクスやオリジナルストーリーまで盛り込むこだわり

 

Second Face Softwareは1月7日、『Portal 2』向け非公式Mod「Portal: Revolution」を無料で配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、プレイには『Portal 2』を所有している必要がある。


『Portal』シリーズは、Valveが手がけた一人称視点パズルアクションゲームだ。Aperture Science社の研究施設を舞台に、壁や床などにポータルを開けることができるポータルガンと物理法則を駆使してステージを攻略する。

今回配信開始された非公式Mod「Portal: Revolution」は、『Portal 2』の前日譚を描くファンメイドの二次創作ゲームだ。プレイには『Portal 2』を所有している必要がある。「Portal: Revolution」の主人公となるのは、StirlingなるAIに呼び起された被験者。Aperture Science社にかつての栄光を取り戻すべく、強力なデバイスを探す任務に就くことになる。


本作はStrata Sourceエンジンをベースとしたエンジンにて動作しているとのこと。同エンジンは、『Counter-Strike: Global Offensive』のSource Engineを現代向けに改良したコミュニティ制作の派生版。「Portal: Revolution」に利用されているのは、Strata Sourceエンジンを利用している別のファンメイドMod「Portal 2: Community Edition(P2CE)」のエンジンを、さらに改良したものであるとのこと。同Modは『Portal 2』のゲームエンジンを刷新するプロジェクトだ。「P2CE」は現在開発中のModであり、Mod開発者間で技術的連携があり、今回の「Portal: Revolution」に利用されたかたちだろう。

「Portal: Revolution」では「P2CE」のゲームエンジンをもとにすることで、『Portal 2』オリジナル版になかったゲームメカニクスが多数実現しているとされる。そうして40種類の完全新規のパズルが用意されているそうだ。なおパズルは『Portal 2』のクリア時点から続くような難易度で想定されているという。とはいえ高度でトリッキーな動きや操作を必要とされることはないとされ、解法さえ閃けば誰でも解けるようなバランスになっているそうだ。


「Portal: Revolution」は本稿執筆時点でSteamユーザーレビューに4800件以上が寄せられ、うち94%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。新たなメカニクスを利用する捻りのあるパズルの数々が好評のようだ。また刷新されたゲームエンジンによるグラフィックのほか、オリジナル版シリーズの世界観を踏襲した二次創作の物語も一定の評価を受けている。ほか、リリース後には最大同時接続ユーザー数が7483人を記録。その後も数千人のプレイヤー数を維持しており、ファンメイドModとして特筆すべき盛況ぶりといえる(SteamDB)。

なお『Portal』シリーズの近年の展開としてはSteam Deck向けのスピンオフ作品『Aperture Desk Job』のほか、『Portal』のグラフィック強化・レイトレーシング対応版となる無料DLC「Portal with RTX」などがリリース。一方で本編シリーズは2011年発売の『Portal 2』以降新展開がない状態にある。そうしたなかでファンメイドの大型Modが開発され、シリーズファンの注目を集めているかたちだ。今回リリースされた「Portal: Revolution」のほかにも、「Destroyed Aperture」といった大型Modが開発中。今後も『Portal』シリーズ向けの非公式Modの動向は注目されるところだろう。

『Portal 2』はPC(Steam)/Nintendo Switchなどに向けて発売中。「Portal: Revolution」はSteam版『Portal 2』所有者向けに無料配信中だ。