マイクロソフト、Xbox Game Passのアカウント共有を試験的に開始。ひとつのアカウントに5人まで

 

マイクロソフトは8月4日(現地時間)、コロンビアとアイルランド向けに、Xbox Game Pass Ultimateのアカウント共有機能を試験的に提供開始したことを発表した。

Xbox Game Passは、マイクロソフト/Xboxが提供するサブスクリプションサービス。加入者は400本以上のゲームをプレイ可能。一部の新作はリリース初日からプレイでき、ゲーム内アイテム配布などの無料特典やメンバー限定の割引も提供されている。Xbox Game Pass Ultimateはその上位プラン。上記のサービスに加えて、コンソールやPC、スマートフォンやタブレット、スマートTVからもクラウドを介してのプレイが可能になる。国内での月額は、通常プランは850円、上位プランは1100円だ。


今回の発表によると、コロンビアとアイルランド向けに Xbox Game Pass Ultimateの複数人でのシェアが Xbox Insider Programメンバー向けに試験的に開始された。Xbox Insider Programとは、マイクロソフトが提供するXboxユーザー向けのプログラム。メンバーになったユーザーは、フィードバックなどを提供するかわりに、先行して機能プレビューなどに参加できる。たとえば、最新のシステムアップデートのほか、開発中の機能やゲームおよびコンテンツや、新機能のプレビューに触れられるわけだ。

今回のプレビューでは、ひとつのアカウントに自身のほか4人まで追加が可能。それぞれが Xbox Game Pass Ultimate のサービスをまるごと利用できる。今回のプレビューではアカウントを共有する相手は参加者と同じ国に在住していなければならないが、追加されるメンバーに家族であることや同一世帯での居住といった条件は設けられていない。そのため本サービスが同仕様のまま正式に導入されれば、離れた場所に住む友人ともアカウントを共有し、マルチプレイもおこなえることになるだろう。

プレビューへの参加にはMicrosoft Storeから「Xbox Game Pass – Insider Preview」プランへの加入が必要となっている(日本からは加入不可)。同プランの正式な価格は現時点では発表されていないが、もともとXbox Game Pass Ultimateに加入していたユーザーがInsider Previewプランに切り替える場合、満1か月の利用権が18日間の利用権に変換されるようだ。日割り計算をしてみると約1800円になるものの、実際にこうした価格設定が反映されるか、またどのような提供方法となるかは今後の発表を待つことになるだろう。

最近では、サブスクリプションサービスでの世帯をまたいだアカウント共有について否定的な態度を示す企業もある。一例として、Netflixは公式サイトにて「Netflixアカウントは、1つのご世帯で1つのアカウントをご利用いただくことを想定しています」と述べており、世帯が異なる場合は新たなアカウントが必要であるとしている。またNetflixは、世帯をまたいだアカウント共有の横行が、長期的な投資やサービス向上を難しくしているとし、同社の収益減少への影響を指摘。今年3月にはチリ・コスタリカ・ペルーにて同一世帯ではない人を二人まで追加可能な有料のサブアカウント制度を導入。さらに今月中には、アルゼンチン・ドミニカ共和国・エルサルバドル・グアテマラ・ホンデュラスにて、異なる世帯での利用に追加料金を導入する予定だ。


このように、アカウントの共有が企業の減収を招くとし、追加料金を設ける動きがある中での、Xbox Game Passにおけるアカウント共有への試みは興味深い。また、映画やドラマは各家庭でのコンテンツの消費に完結してしまう傾向が強く、世帯をまたいだアカウントの共有では収益が見込みづらい。一方、ゲームの場合は運営型の作品における少額課金など、継続して収益が発生する道筋があるのも影響しているだろうか。

現在、Xbox Game Passはいずれのプランも初月100円で利用可能だ。気になるタイトルがある方は、ぜひ試してみてほしい。