オープンワールド・モンスター育成MMO『Untamed Isles』2022年内早期アクセス配信開始へ。野心的だがマネタイズは複雑模様


パブリッシャー/デベロッパーのPhat Loot Studiosは『Untamed Isles』を2022年内に早期アクセス配信開始すると発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。


『Untamed Isles』はモンスター育成要素のあるMMORPGだ。プレイヤーはモンスター(tame)と共に、未開の島々を冒険。モンスターの育成や戦闘など、思い思いのプレイスタイルを究めていくことができるという。戦闘はエンカウント式のターン制バトルでおこなわれるとのことだ。

本作には、ローンチ時点で150万種類ものモンスターが登場するそうだ。非常に数多くのモンスターが登場する秘密は、mix and matchと呼ばれるシステムにあるのだという。多彩な体のパーツの組み合わせで、モンスターたちが生成。さらにモンスターたちは、15種類の特徴的なサブタイプを備えているという。なお、モンスターたちを仲間にして持ち運ぶ際には、クリスタルを用いるそうだ。トレイラーでも、各プレイヤーの背中に複数のクリスタルが浮いている様子が確認できる。


くわえて、舞台となるオープンワールドの島々の変化も、本作の特徴となるようだ。島々は絶えることなく拡大を続け、新たな島も生成されるという。そして、島の気象も変化しつづけ、環境に基づいたモンスターとエンカウントするそうだ。先述のとおりモンスターはランダム生成で姿などが多種多様に変化するものの、気象によってある程度特徴が共通するのかもしれない。

そのほか、ゲームプレイには釣り、果物や昆虫の採集などの多彩なコンテンツが用意。それぞれの要素に評判(reputation)が設定されているそうで、評判を高めることで特別なアイテムをアンロック可能だという。また、マルチプレイではほかのプレイヤーと共に探検やダンジョン攻略が可能。ほかのプレイヤーとエンカウントして、PvP戦闘をおこなうこともできるようだ。


本作を手がけるのはニュージーランドに拠点を置くPhat Loot Studios。スタッフは、過去には複数AAAタイトルなどの開発に関わってきたようだ。なお、同スタジオは『Untamed Isles』にPhat Loot Tokenと呼ばれるNFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)を導入予定だそうだ。公式サイトによると、本作はNFTによってPay-to-Winな環境にならないように開発されているとのこと。そしてその一方で、本作では「ゲームが第一、暗号通貨は第二(Game first, Crypt Second)」という理念のもと、遊びながら稼げるPlay-to-Earnゲームを目指して開発されているという。ゲームプレイでNFTを使う必要に迫られることはなく、むしろモンスターやアイテムなど取集要素の大部分をNFTに換金可能とのことだ。


他方、Steamを運営するValveは昨年、NFTなどを利用するブロックチェーンベースのゲームをSteamから遠ざける旨を表明している(関連記事)。Steamworksの開発者向け資料には、「仮想通貨やNFTの発行・取引を可能にする、ブロックチェーンベースのアプリケーション」が“Steamで公開すべきでない”コンテンツとして追記された。

また、NFTを利用するゲームは、ユーザーからの風当たりも強い(関連記事)。投機対象として過熱気味である、投資詐欺などに利用されている、といった指摘が一部にある。また、ブロックチェーン取引における電力使用が、環境負荷に繋がっているとの懸念も根強い。そうした向かい風のなか、Pay-to-Earnを掲げる本作のNFTは実現されるのだろうか。今後の動向が注目される。

『Untamed Isles』はPC(Steam)向けに、2022年内に早期アクセス配信開始予定だ。