『PUBG』のリーカー、家に“探偵”を送り込まれてビビる。メーカーが送り込んだ刺客か

 

KRAFTONは、『PUBG: BATTLEGROUNDS(以下、PUBG)』における情報リークアカウントに対し、大胆な対策を講じたようだ。海外メディアTheGamerなどが伝えている。


昨今、話題のタイトルには情報のリークがつきものだ。なかでも、ライブサービスを続けているバトルロイヤル系の人気タイトルは、特にリーク問題に悩まされている。毎シーズン大規模なアップデートが配信されるライブサービス形式のタイトルでは、データマイニングと呼ばれるリーク手段がメジャーになりつつある。これは、ゲームデータなどのソースコードから将来実装予定の新規コンテンツを暴き出すという手法だ。一方で、内部者からのリークについても、依然としてリーカーたちの主要な情報源となっているようだ。

人気バトルロイヤルゲームである『PUBG』も、もちろんその例外ではない。PlayerIGNと呼ばれるTwitterアカウントは、連日『PUBG』をはじめとするバトルロイヤル系タイトルの新情報を公式・非公式問わず投稿しており、なかにはリークとされる投稿も多数確認できる。そして、このPlayerIGNのリーク行為に対して、本作の開発元であるPUBG Studiosを傘下にもつKRAFTONは、大胆な対策に乗り出したようだ。PlayerIGNは5月25日、KRAFTONから“刺客”が送りこまれてきたことを明かす声明を投稿した。


PlayerIGNの声明によると、KRAFTONは同アカウント運営者の住居に私立探偵を送りこんできたのだという。そして、PlayerIGN運営者はこの探偵から、KRAFTONからの要求を記した書面を手渡されたそうだ。書面には、「ソーシャルメディア上のリーク投稿をすべて削除すること」「PlayerIGNの得た収益について細やかに報告すること」「リーク情報の入手経路となったDM(ダイレクトメッセージ)をすべて提供すること」という要求が記載されていたとのこと。

ただ、PlayerIGNは、KRAFTONからの要求に対して以下のように反論している。「私のリークする情報は、内部者やゲームデータに積極的に探りを入れて入手しているわけではありません。むしろ、ほとんどの場合その逆です」「スキンに関するデータマイニングは、テストサーバーが起動する直前に更新されるWebサイトからのものです。つまり、単なるHTMLから入手しているにすぎません。画像を右クリックして保存しているだけです」とのこと。こうした理由から、KRAFTONからの要求に対して自分がどのような行動をとるべきか見当もつかず、助言がほしいと伝えている。


一方で、PlayerIGNは単なるリークだけでなく、月額サブスクリプションサービスによるリーク情報提供までおこなっている。同サービスでは、『PUBG』の新スキン画像や、KRAFTON傘下スタジオの新作『Callisto Protocol』の新情報などが提供されているようだ。たとえ、先のPlayerIGNの言い分が事実だとしても、営利目的でリーク情報やゲーム内画像を提供していることは、権利者であるKRAFTONにとって目に余る問題に違いない。

さらに、PlayerIGNが、過去にリークと銘打ち、公式がまだ公開していない情報を暴露するツイートをしていたことも確かである。KRAFTON側としては、こうしたリークを削除し、今後投稿しないことを求めているのだろう。また、これらが本当に内部リークであるならば、情報源となっている内部者を特定したいという意図もあると思われる。

なお、本稿執筆時点で、PlayerIGNのアカウントでは上記の声明を境に投稿が途絶えている。KRAFTONについても、本件に関して公表されたコメントはない。両者のあいだで話し合いが進んでいるのかについては、現時点で不明である。

『Callisto Protocol』


話題のタイトルにつきまとう情報リーク問題。開発側としては、新情報は適切なタイミングで発表して、できるだけ話題性を高めたいと考えているはずだ。また、サブスクリプションサービスを利用してリークを収益化していたPlayerIGNの試みは、KRAFTONにとって見過ごせない問題となったようだ。そのため、KRAFTON側の要求を飲まないとみられるPlayerIGNに対しては、これからさらなる対応がとられる可能性もある。今後の動向に注目したい。