『星のカービィ』シリーズに携わった濱村崇氏、ハル研究所を退職していた。現在はゲームデザインの知見を発信

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ゲームデザイナー濱村崇氏が、ハル研究所を退職していたようだ。4月28日にツイートにて明かしている。同氏は『星のカービィ』シリーズなど、多数作品でプランニングやディレクターを務めていた。
  

 
濱村氏は、国内のゲームデザイナー。かつては開発会社フラグシップに所属していた。2004年には『星のカービィ 鏡の大迷宮』でプランニングを担当。同年、『ゼルダの伝説ふしぎのぼうし』でもプランニングで参加している。続いて2006年の『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』ではディレクターを務めていた。その後、所属をハル研究所に移したようだ。2011年の『あつめて! カービィ』ではコンセプトプランニングを務め、2015年の『タッチ!カービィ スーパーレインボー』ではゲームデザインを務めた。直近の作品としては、2017年に『カービィ バトルデラックス!』でリードゲームデザインを担っている。 

濱村氏は、今年4月28日よりTwitterの投稿を開始。同日、ハル研究所にて最終出社日を迎えたことを明かした。同時に、ゲーム制作技術を伝える「ゲームデザインラボ」の設立を発表。アクションゲームを中心に制作してきた経歴を踏まえ、ゲームデザインの知見を発信していくと伝えていた。 

その後、5月からは本格的に情報発信を開始。ゲームデザインやディレクションにおけるさまざまな情報を公開している。たとえば5月6日には、ゲームの企画書を作成する練習方法を発信した。企画書づくりにおいては、「ゲームのアイデア」と「企画書の構成力」の二つの能力が必要となる。このうち、アイデアで詰まらずに構成力だけを鍛える方法として、「すでに発売されているゲームの企画書を作る」というメソッドを紹介している。すでに完成されているアイデアをもとにすることで、構成力に集中して練習できるという提案だ。 
 

 
このほか、より具体的なゲームデザインの例も解説。「体力が減るとプレイヤーが強化されるゲーム」において、体力の回復手段が設けられていない例が多い理由を挙げた。濱村氏によれば、まずわざと敵からダメージを受け、キャラクターの強化をプレイヤーが制御できてしまうことが一つ。回復アイテムが「絶対的なごほうび」ではなく「強化とのトレードオフアイテム」となってしまい、レベルデザインがしにくくなることが一つ。そして、そもそもキャラクターの強化が、体力減少時のプレイヤーのモチベーション低下防止のための措置であることなども挙げられるそうだ。濱村氏はさまざまな実績があるだけに、説得力にも厚みを感じさせる。 
 

 
今後濱村氏は、Twitterなどで発信した情報を体系化し、電子書籍として配信することを検討しているとのことだ。同氏は本稿で挙げた以外にも、ゲーム開発における情報を多数発信している。興味のある人は、濱村氏のTwitterを見てみるといいだろう。同氏の今後のキャリアにも注目が集まるところだ。 



※ The English version of this article is available here

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