『マインクラフト』を「目隠し」で走破するスピードランナー現る。記憶力でルートを走り、エンダードラゴンをブラインド撃破

 
Image Credit : FrozenMelody

マインクラフト』において、新たなスピードランの記録が現れた。そのタイムは33分35秒である。そのタイムだけでも驚きではあるが、今回のスピードランは単純に『マインクラフト』をクリアしたわけではない。なんと、「目隠し」をしたままゲーム開始からエンダードラゴンを撃破までを走破したのだ。その間、オーディオヘルプもなしだという。PCGamesNが報じている。どのように偉業が達成されたのか、詳細を見てみよう。 
 

 
今回の記録を達成した走者は、スピードランナーのFrozenMelody氏。同氏はこれまでにも、さまざまなゲームで「目隠しスピードラン」に挑戦。『ゼルダの伝説』シリーズや『Celeste』など、数々の作品で視覚を奪ったままスピードクリアを果たしてきた。 

画面を見ず、どうやって『マインクラフト』をクリアしたのか。その鍵はずばり、記憶力である。まずは、スピードランに用いられるシード値「-3294725893620991126」を使用することで、ワールドを生成。最初からエンドポータルが開通している状態を作り出している。それから目隠しを装着し、頭の中に組み立てておいた攻略ルートを完全に再現することで走破を目指していくのだ。スポーンしたFrozenMelody氏は、周囲の家屋などを破壊し素材を収集。手あたり次第に辺りのものを壊しているようだが、すべて計算されたルートのもとにおこなっており、記憶を頼りに移動・位置調整しているのである。 

素材集めを終えたのちは、集めた素材から作業台を生成し、クラフト作業に入る。ボートやバケツ、など、主要な道具を作り出していくFrozenMelody氏。このときも、インベントリのどこに何が入っているか記憶したうえで、クラフトをおこなっているわけだ。チャレンジから10分半が経ったころには、村人とのトレードを開始。エメラルドなどのやり取りを通じて弓矢といった装備を整えていく。 
 

Image Credit : FrozenMelody 

 
その後はボートに乗って大海原へ。針路を調整することなく、まっすぐに水面を滑っていく。ある地点からは、ボートを漕ぐのに合わせて体を揺らして数をカウントしており、これを目安に自分の位置を把握しているようだ。そして特定のポイントに到達すると、おもむろに水中の地面を掘り始める。そして一定の深さまで掘ると貫通し、地下空間に落下。そのままエンドポータルのなかに突っ込んでいく。チャレンジ開始から17分にして、ジ・エンドに到達してしまった。 

その後はすぐにはエンダードラゴンと対峙せず、罠の設置を始める。足場やバケツの水を利用して、ドラゴンを罠に引っ掛けると、弓矢を使った遠隔攻撃でひたすらダメージを与えていく。ほどなくして無事にエンダードラゴンを撃破し、ポータルに突入。クレジット画面を表示させ、ゲームをクリアした。ゲームの終了を無事に確認したFrozenMelody氏は、「It’s done.(やったよ)」と何度も繰り返している。静かながら、その顔には会心の笑みが浮かべられていた。 

PCGamesNによれば、FrozenMelody氏は、攻略ルートを構築する際には可能な限り安全に、かつ記憶力がある人なら誰でも再現できるように作成したそうだ。もちろん乱数も影響を与えるものの、基本的にもっとも心配すべきは入力の間違いである。FrozenMelody氏は、これまでに100本以上の失敗動画を積み重ねており、本チャレンジではどんな小さなことでも間違いにつながりうると語った。 
 

Image Credit : FrozenMelody

 
わずかなミリ秒単位の変化がスピードランを失敗に導く、とFrozenMelody氏は語る。クリックをミスすれば失敗。ある方向へつい早く進んでしまえば失敗。必要ではないアイテムを拾ってしまえば失敗。村人に押されたら失敗。また、せっかくドラゴンを倒しても、最後のポータルに飛び込むところでミスを犯し、あと一歩のところでチャレンジ失敗したこともあったそうだ。FrozenMelody氏は、自身のタイムは簡単に打ち破れるだろうとも予告している。ドラゴンが罠にかかるまでの運にめぐまれず、6分以上をロスしてしまったことが心残りとなっているようだ。 

とはいえ、やはり目隠しした状態で30分台でのクリアは常人離れした記録といえるだろう。FrozenMelody氏は『マインクラフト』のほかにも多数の作品で目隠しスピードランに挑戦している。興味があればチャンネルを覗いてみるといいだろう。