中国テンセント、『Spec Ops: The Line』開発元Yagerの株式過半数を取得。スタジオCEOは新作についても言及

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中国のIT大手企業Tencent(テンセント)が、『Spec Ops: The Line』の開発などで知られるドイツのデベロッパー、Yager Developmentの株式過半数を合意の上取得した。ドイツのゲームメディアGames Wirtschaftが報じている。

Yager Developmentは、1999年に設立されたドイツを拠点とするデベロッパーだ。社名とタイトルを同じくする空戦シム『Yager』を始めとして、衝撃的なストーリーが印象に残る三人称視点シューター『Spec Ops: The Line』、『Dreadnought』などのタイトルを生み出している。2019年からはEpic Gamesストアにて、基本プレイ無料のマルチプレイシューター『The Cycle』の早期アクセス配信を実施中、今年末にはSteamでも配信予定だ。
 

 
同スタジオの共同設立者でCEOのTimo Ullmann氏は、Games Wirtshacft誌によるインタビューのなかで、テンセントとのパートナーシップについて語っている。同氏によれば「今回の決断は突発的なものではありません」とのことで、今回の株式取得についてはテンセントによる少数株取得から、様子を見た上での合意だったとしている。実際に昨年2020年には、テンセントが同スタジオに出資したことが報じられている。また、他企業からの大規模出資を受けることについては、2017から2018年頃にはすでに同スタジオ内で議論されていたとのことだ。

当初はいくつかの金融投資家に接触したとしているUllmann氏。しかしながら、そうした話し合いの中で「ゲーム企業とのパートナーシップが望ましい」という方針が明白になったそうだ。Ullmann氏はテンセントとの提携について、「テンセントはスタジオ同士のノウハウの共有にも鋭敏で、我々(Yager Development)にとっても大きなアドバンテージです」と語っている。少数株取得以降、テンセントとは密に連絡を取り合っており有益な関係を築けていることから、「テンセントとの繋がりを深めることは理にかなったもの」であると説明している。今回の株式取得は、Yager Developmentとしての方針に沿ったもののようだ。

また、Ullmann氏はインタビューの中で現在早期アクセス配信中のタイトル『The Cycle』と、開発中の新作についても語っている。Ullmann氏は『The Cycle』について「去年の早期アクセス期間では、興味深いフィードバックが得られました」と述べ、昨年末にはゲームの大幅刷新を決断したとしている。ここ数か月間は同作のアップデートに注力しているそうで、アルファテスターからは好意的な反応が返ってきているそうだ。また、詳細は明かせないものの、同スタジオでは新作の開発も進行中とのことだ。
 

 
Ullmann氏はテンセントによる株式取得について前向きに受け止めているようで、「テンセントは我々のゲームに投資したのではありません、テンセントは我々の歴史や未来への展望を見ています。つまり、これは従業員たちにとっても、非常に良い兆候です」と述べた。パートナーシップにより長期的な雇用の安定が見込めるとの見解を示している。また同氏は、投資を受けることにより財務上の課題が軽減されるメリットにも言及、「今思えば、もっと早くこの決断をすべきでした」とコメントしている。

昨今では『Warframe』開発元親会社の買収や、『Don’t Starve』シリーズ開発元Klei Entertainmentの株式過半数取得などでその版図を広げている大企業テンセント(関連記事)。そうした動きのあるたび、コミュニティの一部からは開発元の独立性などについての懸念の声があがる。しかし、財務にあえぐゲーム企業にとっては救いの手となっている一面もあるだろう。

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