中国テンセント、『Don’t Starve』開発元Klei Entertainmentの株式の過半数を取得。今後も自律的に運営すると発表するも、ファンは不安を隠さない

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デベロッパーのKlei Entertainmentは1月23日、中国のIT大手企業Tencent(テンセント)が同スタジオの株式の過半数を取得することで、両社が合意したと発表した。

Klei Entertainmentは、2005年に設立されたカナダ・バンクーバーを拠点にするデベロッパーだ。『Don’t Starve』『Mark of the Ninja』『Shank』『Invisible, Inc.』『Oxygen Not Included』など、独特のタッチの手描きグラフィックにてさまざまなジャンルの作品を手がけ、いずれも非常に高い評価を獲得しているヒットメーカーである。現在は、デッキ構築型ローグライトゲーム『Griftlands』の早期アクセスを実施中。こちらも、Steamにて“圧倒的に好評”を得ている。

同スタジオの設立者Jamie Cheng氏は、この15年のあいだには世界情勢に合わせてスタジオも多くの変化を経験してきたと振り返ったうえで、金銭面の不安なくゲーム制作に打ち込み、また学びや成長できる環境をスタッフに用意したかったと、今回Tencentによる出資を受け入れた理由について説明した。両社は、これまでにも『Don’t Starve Together』の中国展開や、モバイル向けの『Don’t Starve: Newhome』で提携してきた関係にある。

なお今回の合意には、Kleiが抱えるプロジェクトやスタッフの管理などのクリエイティブ面や運営面について、今後も自律性を維持することが含まれているとのこと。出資受け入れについてはほかにも候補となる会社はあったそうだが、Tencentは自律的な運営を任せてくれると感じられた唯一の会社だったそうだ。Cheng氏は、Kleiが手がけたIPの所有権も維持されるとし、そうした深い敬意を示してくれたこともTencentを選んだ理由のひとつだと述べている。


Tencentは、『League of Legends』のRiot Gamesや、『Warframe』のDigital Extremesを抱えるLeyouなどを完全子会社化しているほか、Epic GamesやActivision Blizzard、マーベラス、プラチナゲームズなど、世界中の大小さまざまなゲームパブリッシャー・デベロッパーに出資。ITプラットフォーマーとしての顔を持ちながら、ゲーム業界での影響力も年々高めている。

今回のKleiへの出資について、同スタジオの公式フォーラムでは不安視する意見が数多く投稿されている。Klei自身は今後も自律的に運営していくと発表しているが、ゲームでのマネタイズ面などに関してもTencentの影響なく、従来どおりの姿勢を貫くことができるのか疑問を呈する意見が多い。また、Tencentは中国を拠点に置いていることから、ユーザー情報の管理やコンテンツの検閲などについて不安を述べるファンも見られる。一方で、Kleiの言葉を信じて様子を見ようじゃないかとするファンもおり、一部では論争に発展している状況だ。

こうしたファンの反応は、Tencentによる出資がおこなわれるたびに見られてきたものであり、Kleiとしても予想の範囲内だったかもしれない。同スタジオのマーケティング担当者Joe Wreggelsworth氏は、合意に盛り込んだスタジオの自立性などについて、言葉ではなく実際の行動によって示し、前に進んでいくと述べている。


ちなみに今回の発表を受けて、Kleiが手がけた『Don’t Starve Together』のSteam版には、中国国家首席の習近平氏風くまのプーさんや、監視カメラ風アイコンを追加するModが登場。しかし、いずれもトップページからコメント欄が削除され、早速検閲が始まったのではないかとファンが訝しむ展開になっているようだ。ただKlei側は関与を否定しており、検閲の真偽は不明である。

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