『Apex Legends』にて「スマーフィング」が通報対象に。上級者サブアカによる「初心者狩り」が違反行為として指定

 

Apex Legends』において、「スマーフィング」などが明確に通報対象行為として明示されたようだ。5月5日に配信された新シーズン「英雄の軌跡」アップデートにて、通報機能が拡張されたことで明らかになっている。スマーフィングとはオンライン対戦ゲームにおける不正プレイの一種。本来高レベル帯に所属するプレイヤーがサブアカウントなどを用い、あえて低レベル帯にてプレイする行為を指す。実際には高い技術をもつプレイヤーが習熟度の低いプレイヤーを一方的に倒すことにつながり、いわゆる「初心者狩り」に相当する行為として一般に忌避されている。

『Apex Legends』では、不適切な行動をとっているプレイヤーを見つけた際、ゲーム内から直接運営チームへ違反報告を送ることができる。自身のチームに違反ユーザーがいた場合は、ゲーム内メニューの「分隊」タブにて、対象プレイヤーの下にある警告マーク(三角形の中に「!」)を選択することで報告が可能。また不適切なユーザーに倒されてしまった場合は、観戦画面から所定のキーをホールド入力することで報告が可能となっている。

通報対象となる行為は主に4カテゴリ。「チート行為」「ゲームプレイの妨害」「ハラスメント/脅迫」「不適切なコンテンツ」だ。このうちチート行為カテゴリにおいて、「エイムボット/オートエイム」や「不具合の悪用」といった不正ツール・グリッチ利用の事例に並び、「サブアカウントによる不正プレイ(スマーフィング)」という項目が新たに追加されている。『Apex Legends』においてスマーフィングが明確に通報対象となりうる、違反行為として設定されているわけだ。今回のアップデートではこのほかにも追加された項目があり、ゲームプレイの妨害カテゴリでは「マッチを早々に放棄した」「敵との共謀」といった迷惑行為も通報が可能となっている。


本件についてElectronic Arts ならびにRespawn Entertainmentから正式な告知はなく、実際にスマーフィング行為などで通報されたユーザーがどのような処遇を受けるかも明らかになっていない。今回のアップデートについてはスマーフィング行為自体の直接的な取締り強化として見る意見がある一方、別の見方も存在する。海外メディアDexertoは、数ある通報のなかでも、ハッキング行為などをおこなうチーターとそれ以外の不適切ユーザーを区別するためにカテゴリを分けたのではないかと推測を記している。

『Apex Legends』にてセキュリティを担当するConor Ford氏は4月30日のTwitchストリームのコメント欄において、「きわめて近い将来、チートに対して多くの改善を予定している」と発言している(Dexerto)。通報システムの刷新は、対チート施策の一環なのかもしれない。正確な実情は不明だが、長らくグレーゾーンであったスマーフィング行為もチートツールの使用に並び、通報対象として限りなく“クロ”に近づいたことは確かだ。「英雄の軌跡」における対戦環境がより健全なものとなるか、見守っていきたいところである。