『Apex Legends』ワットソンのスキン名が改名。「歴史的に問題のある単語」が含まれていたため

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Apex Legends』におけるワットソンのあるスキン名が変更されるようだ。スキン名は「Charged Conquistador(チャージド・コンキスタドール)」。3月10日より開催されるコレクションイベント「カオスセオリー」に合わせてリリースされるスキンである。今回のイベントスキンは、SF要素と鎧甲冑を組み合わせたような独特のデザインがラインナップ。普段はフード付きの電機技師コスチュームがトレードマークのワットソンも、カオスセオリー・スキンでは16世紀風のヘルムを被った近世兵士のような姿が印象的だ。 
 

*向かって左からワットソン・ローバ・ランパート。 

 
ところが、この最新スキンの名前に含まれる「ある単語」が議論を呼ぶことになった。「コンキスタドール(征服者)」という言葉だ。Twitterにて指摘を挙げたのは、アーティスト・ストリーマーとして活動しているV0N氏。同氏はコスタリカに居住するラテン系のメスティーサだという。メスティーサとは、白人とラテンアメリカ先住民の間にルーツをもつ人々のことである。V0N氏は、前提として、コンキスタドールという言葉が多くのアメリカ人にとって「ヴァイキング」「パイレーツ」と同じくらい気軽に使える単語であることを認めている。しかし同氏としては、どうしてもコンキスタドールの単語が用いられるのに違和感を禁じ得ないのだという。 

というのもコンキスタドールとはもともと、15世紀から17世紀にかけてアメリカ大陸を侵略・植民地化した白人兵士のことを指す単語だからだ。したがって原義どおりに読み解くとすれば、コンキスタドールという単語の背景にはどうしても歴史の影がつきまとう。近世に新大陸を“発見”した白人によって、殺人・疫病・奴隷化がもたらされ、現地の帝国や文化が破壊された経緯があるためである。なお、ワットソンのスキンで印象的な鉄製のヘルメットも、こうした時代と結びつけやすいモチーフだ。スペイン・ポルトガルにて一般に使用された「モリオン」という兜がモデルになっていると見られる。V0N氏はワットソンのスキンのデザインに好意的な姿勢を示しつつも、「チャージド・コンキスタドール」というネーミングに関して再考できないかと意見を表明しているのだ。 
 

 
これに反応を返したのがRespawn EntertainmentディレクターのJason McCord氏。McCord氏は今回のネーミングに関し悪意はまったくなかったとし、数多くのスキンをリリースする中でスキン名に関する承認プロセスが欠けていたことを認めた。その上で、スキンのリリース前〜直後にかけて、名前を変更することを約束している。同時に、Respawn Entertainmentにてコミュニティ・コミュニケーションディレクターを務めるRyan K. Rigney氏も反応。命名に際して見落としがあったことを謝罪し、指摘したコミュニティに対して感謝の言葉を述べた。改名されたワットソンのスキンは、新たに「Chaos Conductor(カオス・コンダクター)」との名称でお披露目されるようだ。 
 

 
『Apex Legends』のプレイヤー層は分厚く、さまざまなルーツをもったユーザーが存在する。そうした中で、歴史的・文化的な解釈の違いからこうした齟齬が生まれることは避けがたい問題だ。今回Respawn Entertainmentは迅速な対応でネーミングを変更した。また以前には、「コースティックの“暴言”」が歴史的スラングに重なるとして修正が加えられた事例もある(関連記事)。広いコミュニティを維持するために、柔軟にユーザーの声を取り入れて対応できる点は『Apex Legends』運営の強みといえるだろう。レジェンドたち自身の国籍もさまざまなルーツが設定されており、インクルーシブなキャラクターデザインを目指していることが読み取れる。 

『Apex Legends』コレクションイベント「カオスセオリー」は3月10日より配信予定だ。 
 

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