渋谷に拠点を置くパブリッシャーのBinary Haze Interactiveは1月21日、2DアクションRPG『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』を早期アクセス配信開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、価格は2178円。日本語に対応しており、早期アクセス配信期間は今年春までを予定しているという。正式リリース時には、コンソール版として PlayStation 5/ PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/ Nintendo Swich にも対応するとのこと。なお開発スタジオとしては、同じく国内会社のLive Wireやadglobeが名を連ねている。
『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』はダークファンタジーの世界を探索する横スクロールのメトロイドヴァニアゲームだ。舞台となるのは、「死の雨」により滅亡した王国「果ての国」。生きとし生けるものが狂暴な穢物(けもの)となった地の、ある教会で少女「リリィ」が目を覚ます。彼女を導くのは、魂だけの存在となった謎の騎士だ。リリィは記憶を取り戻すべく、騎士とともに廃都へと歩み出す。
か弱いリリィの動作はやや重ため。ストレスを感じるほどではないが、低いジャンプ力や控えめな飛距離のローリングは、アクションの難易度を程よく加重している。もちろん無垢な少女は国中の生ける屍と戦う力をもたない。かわりに血路を拓くのが、彼女に連れそう黒衣の騎士の魂だ。普段は光の球としてリリィに同伴するが、攻撃する際は甲冑姿を表し敵を一閃する。騎士の連撃はかなり強力で、3ヒットも当てれば序盤の敵は大抵倒せる。ただしスピーディな立ち回りとはいいがたいため、相手の眼光などの予備動作を見て打ち込むタイミングを見極めよう。リリィは自己回復の能力ももっているが、回数制限があるのでここぞというときに温存したい。
旅を進めれば、各所でボスキャラクターとなる囚われた魂と相見えることになる。強力な敵だが、彼らを倒して呪縛から解放すれば魂を連れていくことが可能。解放された力はスキルとしてセットすることができ、範囲攻撃や2段ジャンプなど徐々にできることが増えていく。また道中では特殊な強化を得られる装備品のレリックや、王国の人々が遺した肉筆を拾うことができる。いずれも亡き王国の姿を偲ばせるアイテムとなっており、想像力を刺激するフレーバーテキストだ。マップにて、収集物の残っているエリアを確認できる点も親切設計である。
道中のチェックポイントは少なく、いやらしい位置に弓兵や飛行敵がいるため、各ステージはそれなりにシビアなルートとなっている。しかし、細部まで描きこまれた背景やメランコリックな音楽が琴線に触れるプレイヤーであれば、繰り返し険しい道のりを歩むことも苦ではないだろう。作品全体の音楽を手がけるのは『Deemo』の人気曲「Nine Point Eight」や、アニメ「ゴブリンスレイヤー」OP曲を手がけた音楽集団Miliだ。
『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』早期アクセス版は、全8+αステージ中3ステージをプレイ可能。荘厳な教会に哀愁漂う村、怪しげな魔女の森などをめぐり幻想的な世界観を味わうことができる。今年春ごろの正式リリース時には物語の完結のほか、敵やスキル・ステージ追加などを予定している。『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』は Steamで2178円で早期アクセス配信中だ。