Twitchの人気エモート“PogChamp”が削除される。元ネタ人物の言動を危険視

 

動画配信プラットフォームTwitchは1月7日、同プラットフォームのエモートPogChampを削除すると発表した。同プラットフォームでは非常に人気のエモートであったが、その起源となる人物に由来した問題があり、削除されることになったようだ。

アメリカでは現地時間1月6日に、連邦議会議事堂にて昨年11月の大統領選の結果を確定させる上下両院合同会議が開かれていた。しかし、ドナルド・トランプ大統領の支持者らがバリケートを突破して議事堂内に侵入。ひとりの女性が亡くなるという悲劇が生まれてしまった。人々が連邦議会議事堂に侵入したことや、女性が亡くなったこと。またそれに付随したトランプ氏の言動や、カマラ・ハリス副大統領の動向などさまざまな点で、今回の一件は全世界で物議を醸している。PogChampの元ネタであるRyan ‘Gootecks’ Gutierrez氏も、今回の一件に意見を表明していた。

Gootecks氏は、アメリカ在住の格闘ゲームプレイヤーおよびキャスター。格闘ゲームに関連した活動をしている。同氏は2010年、周辺機器メーカーMad Catzのプロモーション企画にて、Mike Ross氏とメンコ(Pog)対決を実施していた。同企画のアウトテイク映像にて、カメラマンが三脚にぶつかりカメラが揺れる場面が発生。その時に見せたGootecks氏の顔がなんとも珍妙であるとして切り取られた。もともとの企画の「PogsChampionship」の名前をとり、PogChampのエモートが誕生。4chanやTwitchなどに拡散されていった。


PogChampは愉快なエモートとしてTwitchなどで人気を博してきた。驚きを示す時はどんな時でも使いやすいし、第一その顔が面白い。ポジティブなリアクションとしても、煽りリアクションとしても使える、汎用的なエモートとして親しまれてきた。しかし1月6日のGootecks氏の言動によって、そのエモートの立場は急変。というのも、同氏は連邦議会議事堂内で亡くなった女性について「今後、処刑された彼女のための暴動が起きるのでしょうか、それとも、殉教者として無駄死にとなるのでしょうか」と コメントしたのだ。議事堂内で起きた一件の動画リンクを貼ろうとするも、偉大なTwitterの“言論統制”によって貼ることができないと付け加えている。

Twitchとしては、“元ネタ”であるGootecks氏の言動を看過できなかったようだ。PogChampの元ネタであるGooteck氏の発言は、暴力を促すものであり、エモートの削除を決断したと説明している。一方で、PogChampは同プラットフォームの文化において大きな位置を占めるともコメント。しかしながら、同プラットフォームの良心として、もはやこのエモートを使い続けることはできないとしつつ、そのかわりとなるものを用意したいと語った。コミュニティと共に、Twitchの盛り上がり時に使用できるエモートを作り出したいと締めた。