“加齢”で強くなるソウルライクARPG『Chronos: Before the Ashes』配信開始。『Remnant: From the Ashes』の前日譚

 

ゲームパブリッシャーのTHQ Nordic Japanは12月1日、三人称視点アクションRPG『Chronos: Before the Ashes(クロノス:ビフォー ジ アッシュ)』を発売した。Co-op要素はなくシングルプレイのみ対応。販売プラットフォームはPC(Steam)/Xbox One/Nintendo Switch/PS4となっている(PS4版のみ2021年1月19日配信予定)。本作は、全世界累計売上本数200万本を突破した銃撃ソウルライクARPG『Remnant: From the Ashes』の前日譚を描くストーリーが展開される作品となっている。開発は前作同様にGunfire Gamesが担当。


本作は、モンスターたちの侵攻により人類は隠れて暮らすことを余儀なくされているポスト・アポカリプス世界が舞台となっている。モンスターたちがなぜ人類を侵攻しているかは不明とされているが、世界を浄化するもの「ドラゴン」の命によって行動しているようだ。プレイヤーはドラゴンを探し討伐すべく、一年に一度だけ異次元世界への扉を開く“グレートストーン”に飛び込み旅に出るのだ。


前作『Remnant: From the Ashes』は銃撃ソウルライクARPGとして、三人称視点でのシューター要素が強めのテイストとなっていた。しかし今作ではそのようなシューター要素は撤廃され、近接戦闘にフォーカスをした仕様となっている。プレイヤーが行える行動は、通常攻撃、強攻撃、魔法、回避、ガードそしてパリィだ。モンスターの攻撃パターンに合わせて回避かガードか、適切な動きが求められるだろう。そのためか『Remnant: From the Ashes』と比べゲームの全体的なスピードは少し遅め。前作に慣れ親しんだプレイヤーであれば、敵も味方ももっさりとした動きのように感じてしまうかもしれない。


加齢”システム

本作のユニークなシステムとして“加齢”がある。プレイヤーは一度死んでリスタートする度に、一つ歳をとっていくのだ。年齢によって外見が変わっていくことはもちろん、歳をとるほど筋力や敏捷性などのプレイヤーの強さを決定づけるステータスが上がりづらくなる。その代わりとして、蓄えた経験が活きてくるのか、魔力の値は年老いていくにつれて上げやすくなっていく。

レベルアップで得られるポイントを割り振り。年齢によってステータスを上げるために必要なポイントが変動


くわえて、20歳から80歳に至るまでの間、プレイヤーは10年を刻むごとに特別な能力をアンロックすることができる。習得の際に3つの選択肢が用意されており、その中から1つだけを習得することが可能だ。上記のステータスポイントの割り振り方も含めて、プレイヤーが操作するキャラクターの能力を文字通り生涯かけて構築することとなるだろう。

20歳で得られる能力が3択で提示


なお、何歳まで生き永らえるか試したところ、80歳でカンストし不死の存在となり果てたようだ。



前作との比較

『Remnant: From the Ashes』の前日譚が描かれる作品ということで、前作を100時間ほどプレイした筆者が本作を遊び率直に思ったことを以下にまとめてみた。本作のプレイ時間は執筆時点で5時間。

・共通の世界観でのソウルライクアクション

『Remnant: From the Ashes』では豊富な近接武器が用意されていたものの、銃撃がやはりメイン。近接武器を使うシーンが実際ほとんどなく、種類の豊富さ・見た目のカッコよさを楽しむ一種のファッションでしかなかった。そのため、世界観を共有している本作で近接武器をぶんぶん振り回すのは正直楽しい。

・モーションのもっさり感

堅実な当たり判定を実現するためか、敵味方のモーションが全体的にもっさりとした印象となっている。前作にあったような爽快感はあまり感じられず、どちらかというと敵の攻撃パターンを読み切って適切な回避・パリィを決める楽しみ方が大きいだろう。

・キャラメイクしたかった

プレイヤー作成時に選べる項目は、性別、初期武器、難易度の3つのみ。『Remnant: From the Ashes』と比べると圧倒的にカスタマイズ要素が少ない。加齢というユニークなシステムが用意されていることから、カスタマイズした自キャラがどう老けていくのか少し楽しみにしていたが、そうはならなかった点が残念だ。

・ビルドの多様性に乏しい

レベルアップに応じてポイントを割り振れる項目が4つ。どれも攻撃力や体力、防御力など直接ステータスに関与するのみで、どう振っても立ち回りや戦法に影響がないのがネック。加齢に応じて得られる能力もあるが、こちらも元々の能力を拡張したようなものがほとんど。能力習得のタイミングにならないと、どのような能力があるか確認できないのも、ビルドの多様性を下げてしまっているだろう。

『Remnant: From the Ashes』と比較して遊んでしまうと、残念ながら本作は自由度が狭まってしまった印象を受けてしまう。しかし『Remnant: From the Ashes』の世界観をさらに深掘りしたいというユーザーにはおすすめの作品だ。また本作は、全プラットフォームで日本語に対応しているため言語の面で困ることもなさそうだ。


『Chronos: Before the Ashes』はPC(Steam)/Nintendo Switch/Xbox One向けに販売中。PlayStation 4版は2021年1月19日発売予定となっている。