ミステリーADV『The Wake』日本語対応で7月11日にSteamにてリリースへ。暗号を読み解き、罪悪感をえぐり出す

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韓国に拠点をおくインディーゲームクリエイターSomi氏は、新作アドベンチャー『The Wake: Mourning Father, Mourning Mother』(以下、『The Wake』)を発表した。リリース予定日は7月11日で、PC/Mac(Steam)向けに発売される。価格は約536円(4.99USドル)。日本語にも対応するとのこと。またNintendo Switch版が2020年内に発売されることをIGNが報じている。

『The Wake』はSomi氏の過去作『Replica』『Legal Dungeon』に続く、「Guilt Trilogy」の3作目にあたる作品だ。本作でプレイヤーは、ある男の日記を読み解くことになる。日記には祖父の葬儀の3日間で開かれた過去の傷口、罪悪感の根源が綴られているという。読み進めることで、祖父から息子、孫の三世代の、もつれあった感情と思い出があらわになっていく。公開されているトレイラーやスクリーンショットでは、反転フラップ式のインターフェースに男の心情らしきものが表示される。「もう家庭のある大人の男なんだから、父親のことが理解できるか? 彼を哀れむか?」「なぜ私は罪深い者だと思われるんだろう? なぜあなたでなく私が?」といった思いが吐露されており、彼が抱える苦悩が垣間見える。

「彼にとって、それは2に2を加えることに過ぎなかった」。


一方、すべての内容をそのまま読むことができるわけではないようだ。日誌はところどころ暗号化されており、プレイヤーはパズルを解くことで中身を探り当てなくてはならない。膨大な数字が記されたスライド式のデバイスや配線回路を用いて、正しいアルファベットを探り当てる内容となるようだ。画面に登場するのは無機質な文字の羅列と暗号解読ツール、そして何枚かの家族写真らしきイメージのみ。キャラクターが登場してドラマを展開するようなことはなく、手元の断片的な情報から物語を想像させるつくりとなっているのがわかる。


限られた情報とツールからミステリーを描き出すのはSomi氏が得意としてきた作風だ。たとえば2016年に発売された『Replica』は、「他人のスマートフォン」を操作するインタラクティブノベル。所有者不明のスマートフォンを手渡されたプレイヤーは、テロリストの兆候をつかむべく、SNSの使用履歴など他者のプライベートを徹底的に調査することになる。また2019年にリリースされた『Legal Dungeon』は警察官の立場から事件の調査にあたり、最終的にその事件に対する意見書を提出するという作品。ここでも「事件の調書」がゲームの重要な部分を占めており、部分的な情報から解を導きだすというスタイルが一貫している(関連記事)。

Somi氏はゲームを通じて、自身の思想を伝えることに意欲を注いでいるという。「Guilt Trilogy」のうち第1作『Replica』は、母国に広まるファシズムの兆しに対する罪の意識を描いた。また第2作『Legal Dungeon』では、Somi氏自身の職業に関係しているという非人間的な法体系に対する悲しみが示されている。そして『The Wake』で描かれるのはSomi氏の罪悪感が起源で、作品は同氏の記憶と過去の傷で満ちているという。ゲームでありながら、同時にクリエイターの私小説のようなかたちになるようだ。体制に対する心の揺れにフォーカスした前2作に対し、より内省的な側面に焦点を当てた最新作に注目したい。


『The Wake: Mourning Father, Mourning Mother』は7月11日、PC/Mac(Steam)向けに発売予定。価格は約536円(4.99USドル)で日本語にも対応する。また2020年内にNintendo Switch版の登場も報じられている。なお過去作が7月10日までSteamサマーセールの対象となっており、『Replica』は50%オフの149円、『Legal Dungeon』が30%オフの504円で入手できる。これらを先に遊ぶことで、より深く作品のテーマを味わうのもいいだろう。

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