ダークなSFミステリーADV『The Signifier』PC向けに発表。現実と人の無意識が生んだ夢を行き来して“真実”に迫る

 

パブリッシャーのRaw Furyは3月19日、SFミステリーアドベンチャーゲーム『The Signifier』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。現在のところ対応言語は英語のみで、日本語には非対応。本作は、チリに拠点を置く開発スタジオのPlayme Studioの初タイトルとなる。

『The Signifier』は、一人称のミステリーアドベンチャーゲーム。プレイヤーは心理学者として、人間の記憶などを記録できるマシンを使ってさまざまな謎を解いていく。ある事件をきっかけに、Dreamwalkerと呼ばれるそのマシンを巡る陰謀に巻き込まれた主人公。現実と非現実の世界を行き来しながら、“真実”に迫るのが本作の目的となる。

物語の主人公は人工知能と心理学の専門家であるFrederick Russell。人間の感情や無意識を記録し調査する脳スキャナーの研究に携わっている。Dreamwalkerと呼ばれるこのマシンを使って、対象人物の記憶を辿ったり、無意識の領域にある主観的な夢のようなものを探ることができるという。

ある日、Frederick Russellの元にある調査依頼が届く。その内容は、ある人物の「最期の記憶を探ってほしい」というもの。そしてその人物とは、自宅で亡くなっているのが見つかったという、世界トップのテクノロジー企業の副社長であった。警察は自殺とみているようだが、どうやら裏に何かあるらしい。この事件の調査をきっかけに、Frederick Russellはとある陰謀に巻き込まれていくようだ。

プレイヤーは、Frederick Russellとして現実・人の記憶・人の無意識の3つの世界を行き来しながら調査を進めていく。オブジェクトを調べたりパズルを解くことで新たな情報を得て、集めた情報を整理して謎を解いていくことで、ゲームが進んでいくようだ。

現実/非現実の世界を巡る調査は、Frederick Russellの専門分野である人工知能と心理学の知識を使って進められていく。分析する内容は、具体的なものから抽象的なものまでさまざま。具体的なものでは、現実世界で写真などのオブジェクトを調べたり、非現実世界で人物やペットの記憶から行動記録を再生・逆再生して情報を得るなどの調査になるようだ。

対して、対象人物の無意識を探る場面では、その人物の主観的な夢のようなものを分析することになる模様。公式サイトやトレイラーでは、半透明の無数の人影がうごめいている様子や、鍵のようにも見える不気味なオブジェクトがグニャグニャと形を変えていく様子、廊下の奥にあるドアの向こうに目のようなものが中心に付いた大きな手のようなものが待ち構えている様子などといった、ホラーじみた表現が見受けられる。

「人間の心のもっともダークな部分に触れる」というテーマの本作。現実世界はすっきりしたクリーンな色味のグラフィックで冷たく静かな重みを表現。非現実世界は濁ったような彩度の低いダルトーンで画面が覆われ、ノイズや歪みが加えられることによって、よりダークな世界が描き出されている。

『The Signifier』は、PC(Steam)で発売予定。今のところは、日本語非対応の予定だ。