『マインクラフト』生みの親Notchが新作ゲーム開発を示唆。ユーザーに意見を求める

 

『マインクラフト』の生みの親であるNotchことMarkus Alexej Persson氏は2020年1月5日、自身のTwitterアカウントにて意味深な投稿をおこなった。「あくまで仮定の話だけど、君たちは、僕がひとりで小規模なフリーゲームを作るか、もしくはスタジオを立ち上げて洗練された商業ゲームを作るか、どっちをしてほしい?」。またユーザーの「君が一番幸せになれる方を選べばいいよ」という返信には、「それが何なのかを理解するための質問なんだ。迷っているように感じているけど、おそらく心の奥底では選びたいものがあって、それを見つけようとしている」と答えている。

Notchはスウェーデン生まれのクリエイター。Ludum Dareなどゲームジャムの参加を通じて、ユニークなコンセプトのゲーム開発に精を出す。仲間と共にMojangを設立し、『マインクラフト』の制作に着手。改良を重ねていき、同作を世界的ヒットゲームへと導いた。その後Notchは2014年9月に、Mojangと『マインクラフト』IPを25億ドル(2750億円)でマイクロソフトへと売却。開発および運営から正式に身を引いていた。

Notchはクリエイターとして名高い評価を得る一方で、SNS上などでの問題発言が多いお騒がせ人物でもある。特定のハードウェアやクリエイターを貶したり、性/人種差別ともとられかねない発言をTwitter上で繰り返していた。しかしながらファンと絶えず交流を続ける一面も。本人は鬱であることを否定しているものの、情緒不安定で寂しがり屋な傾向があるようだ。

前出した問題行動が原因かは定かではないが、『マインクラフト』の一部シーンでクレジットから氏の名前が消えたり、『マインクラフト』10周年イベントに呼ばれなかったりと、現在Mojangを保有しているマイクロソフトからは距離を取られている。また氏自身も目立ってクリエイティブな活動はしておらず、Twitterでのファンとの交流に明け暮れている。エネルギーを持て余していることも示唆しており、新作開発に向けて動き出したのは自然な流れといえるかもしれない。一方で、こうした問いかけもひとつのコミュニケーションの一環であるという可能性も拭いきれない。

※ Notch氏は、ゲームプレイらしき謎めいた映像を自身のYouTubeチャンネルで定期的に投稿している

とはいえ、Notchといえば大物中の大物であり、SNSでは絶大な人気を誇る。お金を持っているという背景もあり、あたたかいフィードバックだけでなくゲームスタジオの売り込みも散見される。本人も(何か理由があってスタジオ運営から離れたのではないかというユーザーからの返信を受けて)「そうではあるけれど、とても楽しい経験だったよ!いずれ離れたくなる傾向を持っていることを予め認識し、その時が訪れることを想定して準備を進められるのは良いことだよ」「多様な関心と情熱のある人々と一緒に始めれば、何かを完成させられる確率は上がる」とつぶやいたり、ユーザーとの交流を介して何かをつかみかけているようにも見える。Notchは新作を開発するのだろうか、そしてどのような作品が世に出るのだろうか。鬼才クリエイターの新たなアイデアを、多くの人々が注目しているだろう。