王国運営シム『Yes, Your Grace』Steam向けに正式発表。国王として民や家族の頼みごとに悩まされながら、来たる戦争に備える


ゲームパブリッシャーNo More Robotsは10月2日、『Yes, Your Grace』を正式発表した。2020年発売予定となっており、Steamストアページはオープン済み。将来的にはコンソール版の発売も視野に入れている。

同作は英国のゲームスタジオBrave At Nightが開発する王国運営シミュレーションゲーム。プレイヤーは玉座に座る一国の主として、請願に訪れた民の声に耳を傾ける。彼らの頼みごとを聞いてあげるのか、それともより大きな問題に対処するため限られた物資を温存するのか。国王Erykが治めるDavern王国には、繁栄を阻もうと策略を練る者もいるため、慎重に決断を下していかねばならない。

スラヴ神話を取り入れた中世を舞台に、資産、食糧、兵力、そして民の幸福度をバランス良く保ちながら統治するのが、国王の役目。玉座の間にやってくる人々の願いを聞き、誰を支援すべきか判断するのだ。村人を襲う魔物の退治を請う者や、病床に伏した父を救って欲しいと願う者まで、請願の種類はさまざま。

主人公は王であると同時に、父でもあり、夫でもある。民だけでなく妻や3人娘の悩みごとにも対処すべきか考えねばならない。また内政だけでなく外交にも気を使わねばならない。隣国の王や伯爵の気まぐれに応え、同盟を組むことで戦争に備えるのだ。隣国を喜ばせる上では、ときに汚い行為を迫られることもあるだろう。摂政や魔女を雇えば、そうした諸々の対応を進めるための支えとなってくれるはずだ。

家族・内政・外交の問題に対処する『Yes, Your Grace』。長らくRafal Bryks氏が個人開発していたプロジェクトであり、2014年にKickstarterでのファンディング・キャンペーンを実施。約7200ポンドの資金を調達することに成功していた。影響を受けた作品としては、Lucas Pope氏の『Papers, Please』が挙げられおり、特に主人公がさまざまなジレンマに悩まされながら難しい決断を下していく様子が参考にされている。

ただ2015年夏という当初の発売予定時期を大幅に過ぎてしまい、募った資金は使い果たしてしまう。そこで他の仕事をしながら合間の時間で開発を継続。一時はNo More Robotsがパブリッシングを担当している『Not Tonight』のピクセルアーティストとして働いていた。そして縁があってNo More Robotsに『Yes, Your Grace』のデモ版を見せたところ、パブリッシング契約を結ぶことができたという(Eurogamer)。以降はフルタイムで開発できるようになり、現在はアシスタントデザイナーのAlina Cebula氏、コピーエディターのLuke Ashcroft氏、コンポーザーのFilipe Alves氏、サウンドエフェクト担当のDamion Sheppard氏とともに5人体制で同作の仕上げにかかっている。