GoogleがGDC 2019にてゲーム関連の基調演説を行うと発表。初代『アサクリ』プロデューサーを幹部として招き、カンファレンス控える

 

Googleは3月12日、米国サンフランシスコにて3月19日から3月23日にかけて開催予定のGDC 2019にて、基調演説を行うことを発表。以下のティザー映像を公開した。基調演説の開始日時は、日本標準時3月20日午前2時(太平洋夏時間3月19日午前10時)を予定しており、当日の様子はライブ配信される(YouTube公式)。内容としては、ゲームの未来に関するGoogleの展望を明かすものになるという。同社はこれまでにもGDCには参加してきたが、基調演説を行うのは初。新サービスや新製品の発表が期待されている。

また同日には、昨年10月にEAを退社したJade Raymond氏が、ヴァイス・プレジデント(VP)としてGoogleに入社したことが発表されている(GameIndustry.biz)。Raymond氏はEA傘下のMotive Studiosを率いていた人物であり、EA入りする前にはUbisoftにて初代『アサシン クリード』のプロデューサー、『アサシン クリード II』『ウォッチドッグス』『スプリンターセル ブラックリスト』などのエグゼクティブ・プロデューサーを担当していた。なお、Raymond氏の役職がGoogle全体のVPなのか、Google傘下の組織のVPなのか、という問いに対してはウィンクの顔文字で返答している。これまでゲーム業界で活躍してきたRaymond氏だけに、Googleでもゲーム関連の事業に関わっていくと考えられるが、現時点でははっきりとしていない。GDC 2019でのGoogleの発表とあわせて、彼女の具体的な役割も明らかとなってくるのかもしれない。

2018年には、Googleがコードネーム「Yeti」と呼ばれるサブスクリプション型ストリーミングサービスの開発を進めているとの噂が海外メディアを通じて広がり、Googleの既存もしくは新しいハードウェアとセットで展開されるのではないかと推測されていた(Kotaku)。その後2018年10月、Googleが開発中のストリーミング技術「Project Stream」が発表され、Google Chrome上で『アサシン クリード オデッセイ』をプレイするというユーザーテストが実施された(関連記事)。既存のストリーミングサービスが抱えるレイテンシーやグラフィックの劣化といった問題の改善を目標としたものだ。Googleがゲームのストリーミング技術に力を入れていることは間違いなく、基調演説のテーマになっている「ゲームの未来に関するGoogleの展望」の一部であることは間違いないだろう。

なおゲームのストリーミングプレイには、安定・高速のインターネットインフラが求められるという条件がついてまわるが、ハードウェアのスペックが低くてもハイエンドなゲームにアクセスできるという点が大きな魅力となっており、E3 2018ではEA、マイクロソフトがそれぞれ独自のストリーミングサービスの開発に取り組んでいると発表していた。


元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)