Nintendo Switch向け『遊戯王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション』発売2日前に収録内容が異なることが判明し批判殺到

 

Nintendo Switch向け対戦型カードゲーム『遊戯王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション』の発売2日前となる4月23日、それまで説明されてきた「遊戯王オフィシャルカードゲーム」(以下、遊戯王OCG)準拠ではなく、「Yu-Gi-Oh! TRADING CARD GAME」(以下、遊戯王TCG)準拠であったことが、公式Twitterのツイートにより明らかとなり、デュエリスト達から不満の声が寄せられている。

『遊戯王 デュエルモンスターズ レガシー・オブ・ザ・デュエリスト:リンク・エボリューション』は、4月25日に発売されたダウンロード配信専用タイトル。遊戯王のデジタルゲームとしては初の最新ルールを搭載し、9000枚以上のカードを収録。遊戯王のアニメやマンガのキャラクター140名以上が登場し、全国のプレイヤーとオンライン対戦が楽しめる───と謳われていた作品。シリーズ1作目である『Yu-Gi-Oh! Legacy of the Duelist』が日本未発売だったこともあり、国内のデュエリストには「あらかじめダウンロード」を済ませ、発売日を心待ちにしているものもいた。

事件が起こったのは前述のとおり4月23日。それまで商品公式サイトの画像や、Vジャンプ6月号に掲載されていた記事に「遊戯王OCGと同等のデュエルが楽しめる」「遊戯王OCG デッキビルドパック ヒドゥン・サモナーズまで収録」などと記載されていたのが告知なしに修正され、公式Twitterでは「遊戯王TCG」準拠で収録されていることが明記。こうして、「遊戯王OCG」ではなく「遊戯王TCG」が収録されていることが判明し、説明されていたゲーム内容と異なることが発覚し、公式Twitterに不満の声が殺到。経緯は不明であるが、ニンテンドーeショップでは発売前に一時販売停止されるという事態にまで発展していた。

「遊戯王OCG」は所謂国内版。日本で発売されており、日本の大会で使用されているカードなのに対して、「遊戯王TCG」は英語版だ。この両者の違いは、カード名や言語の差異だけではない。まず、カードが異なる。遊戯王OCGと遊戯王TCGでは発売時期に差がある。そのためか、遊戯王OCGでは収録されていたカードが、遊戯王TCGでは収録されていないというようなことがよくあり、カードプールが異なれば使用出来るコンボや戦略、メタも当然異なってくる。また遊戯王は、歴史ある紙のカードゲームなので、カードの修正を行うのは難しい。そこで、使用不可能な禁止カードや、一枚までなら認められる制限カードなど、ゲームに制限を加えるリミットレギュレーションというルールが採用されている。カードプールが異なれば、パワーカードも違ってくるので、当然遊戯王OCGと遊戯王TCGではリミットレギュレーションにも違いがあり、同じデッキを組むことはできない。つまり、共通している部分は多くあるのだが、細かいところに目を向けると、この両者にはゲームとして大きな違いがあるのだ。

説明されていたもの、もしくは期待していたものと全く違うゲームであることが2日前になって判明し、公式サイトの記述が告知なく修正された事実も手伝って、デュエリストコミュニティは大荒れ。特に問題なのは発売後すぐに遊ぼうと、この作品を心待ちに「あらかじめダウンロード」を済ませていたユーザーだろう。ニンテンドーeショップでダウンロードソフトを購入した場合、通常返金はできない。「あらかじめダウンロード」を済ませていた熱心なデュエリストは、購入しようとしていたものとは内容の違う製品を入手したことになる。こうした批判をうけ、コナミは24日に「収録カード誤表記のお詫び」というお詫び文が商品公式サイトへ掲載。誤表記について認めた上で、謝罪と「あらかじめダウンロード」で既に購入していた方に向けた対応の検討するとしている。

すでに予約購入したゲームの内容が、実際異なっていたと知った時の落胆は計り知れないもの。開発と広報の間で認識のずれがあった可能性もあるが、消費者の信頼の根本の部分を揺るがしかねない問題だ。どのような形で収束するか、まだ今後の見通しはみえないが、どうかデュエリスト達が納得するような形で決着がついてほしい。