Nintendo Switch版『ホグワーツ・レガシー』は、ホグズミードなど一部オープンワールドを崩しエリア化することで最適化。執念の無茶移植

 

WB Gamesは11月14日、Nintendo Switch版『ホグワーツ・レガシー』を発売した。幾度の延期を経てついに発売されたNintendo Switch版。移植不可能との声も見られた同作は、他ハードではオープンワールドだったエリアを分割にすることで実現されているようだ。


『ホグワーツ・レガシー』は人気小説・映画「ハリー・ポッター」シリーズを題材としたゲームだ。開発を担当したのは、WB Games傘下スタジオAvalanche Software。プレイヤーは5年生として、ホグワーツ魔法魔術学校に入学。授業や探索に励みつつ、世界をめぐる大きなしがらみに巻き込まれていく。ゲーム内には広大なフィールドが存在。学校および学校周辺のエリアを冒険し、誰かの悩みを解決したりしながら、戦いなどを介して成長するのだ。

本作は今年2月10日にPC/PS5/Xbox Series X|S向けに発売された。そしてそこから3か月ほど遅れてPS4/Xbox One版が発売された。Nintendo Switchは、結果的にPC/PS5/Xbox Series X|S版から9か月遅れて発売されている。言い換えれば同作は、はじめは次世代(あるいは新世代)機のみリリースされていた。ゲーム内容的にも、リッチなビジュアルや高度な処理が実装されており、次世代機相当のゲームになっていたわけだ。それゆえに、特にスペックとしては今のハード基準ではかなり低いNintendo Switch向けのリリースが、延期も重なってか心配されていた。

そしてNintendo Switch版の発売が近づき、実機での画像などが公開。画質こそPC/PS5/Xbox Series X|Sからはかなり落ちているものの、本来のゲームの絵をなかなかうまく再現できているように見えた。かなり最適化に尽力したことが推察されるが、最適化はマップ構造にまで及んでいたようだ。

 


YouTubeチャンネルSwitchUpは、Nintendo Switch版はオープンワールドではなくなっていると報告。具体的には、ホグズミードに入る際にはロードが発生すると報告。またホグズミードのショップなどに入る際もロードが発生するとのこと。従来のプラットフォームでの『ホグワーツ・レガシー』といえば、基本的にはホグワーツやホグズミードといった主要エリア間の移動はシームレスであることが特徴。一部ダンジョンの移動にはロードが挟まれるが、基本的にはシームレスであった。


一方でNintendo Switch版はホグズミード含め大きなエリアは分割することで負担を軽減しているようだ。PC版プレイ済みの筆者も、Nintendo Switch版ではホグズミードに入る際にPC版になかったロードが挟まれることは確認済み。ホグワーツ内は基本ロードはないが、ほかのエリアにおいては要所でロードによってエリア分けされている場所はありそうだ。

なお、前出のSwitchUpはフレームレート面では30fpsからの大きな崩れはなく安定しているとコメント。ゲームプレイの楽しさは保たれており、開発元は良い仕事をしたともコメントしている。もちろん、ロードが長かったり他ハードから削ぎ落とされた要素は数多くあるものの、それでも『ホグワーツ・レガシー』のゲームとしての面白さが担保された移植であると結論づけた。

 


Nintendo Switch版『ホグワーツ・レガシー』は、そもそも発表時から無茶移植であると心配がられていた。結果的には前述のようにマップ分割をしたり、パッケージ版でも約30GBのダウンロードをする必要があったりと、かなり無茶な移植をしたのは間違いなさそうだ。一方で、なんとかしてNintendo Switch上で動作させるという移植開発元の執念も感じられる。工数もかなりかけたと予想される。どのようなパフォーマンスになっているか気になる方は、Nintendo Switch版を触ってみてもいいだろう。

Nintendo Switch版『ホグワーツ・レガシー』は、11月14日より発売中だ。