オープンワールド生産FPS『Satisfactory』Steamリリースがとりやめ、Epic Gamesストア独占に。コミュニティからは不満の声

パブリッシャーCoffee StainのコミュニティマネージャーであるJace Varlet氏は12月7日、『Satisfactory』のSteamリリースをとりやめることを正式に告知した。同時に、Epic Gamesストア独占タイトルになることも明かされている。ここ最近で同作のSteamストアがなくなっていることが指摘され、かつEpic Gamesストアに『Satisfactory』のページが登場したことから、同ストアへの移行が噂されてきたが、正式に発表された形だ。『Satisfactory』は、『Sanctum』や『Goat Simulator』を手がけたCoffee Stainの最新作。企業の派遣スタッフとして新規事業を成功させるため、惑星開拓に勤しむのだ。本作では、オープンワールドにシューティングに狩り、そして工場経営や工場ライン構築をおこなうといった多岐にわたる要素が詰められており、期待が寄せられている(関連記事)。

このたびVarlet氏は、『Satisfactory』のSteamリリースがとりやめになり、Epic Gamesストア独占リリースになったことを報告。いちはやくこの報告をしたかったが、できなかったと説明。コミュニティと正直に関わっていく立場として、フラストレーションがたまっていると語る。今回いちはやくファンに知らせたかったとしながらも、依然としてその理由を語ることはできないとしている。一方で、今回の決断は、最近Coffee Stainを買収したTHQ Nordicの意向ではなく、さらにSteamおよびEpic Gamesストアにおける収益配分に拠るものではないとも説明。来週中にファンからの質問に答えるQ&Aビデオを投稿する告知しており、そのタイミングで一連の背景が語られるのかもしれない。

Epic Gamesストアへの移行が正式に発表されたわけだが、ファンはこの説明に納得がいかないようだ。同動画への評価は、好評の約3倍の不評がついており、「じゃあもうゲームは遊ばない」「季節外れのエイプリルフールのジョークなのか?」といった辛辣な意見が寄せられている。そもそも、今回の動画で「なぜプラットフォームを移行するのか」という核心的な部分に触れられていないことに、釈然としないようだ。理由が明かされない以上は、納得しがたいのは自然だろう。開発者に70%の収益を提供するSteamではなく、88%の収益を提供するEpic Gamesストアを選んだと説明した方が、ユーザーにとってまだ納得できたかもしれない。また、『Satisfactory』はSteamコミュニティをまじえたアルファテストの準備が進められていたこともあり、根ざしつつあったコミュニティを突如変えることへの違和感も拭いきれない。

Epic Gamesストアは、近年のSteamに対する不満や高い収益配分によって、開発者にとって歓迎される存在になりつつある一方で、ユーザーに対してはその意義を証明できる段階にはない。今回の『Satisfactory』のEpic Gamesストア移行に対してコミュニティからは、プラットフォームおよびランチャーの分散化に落胆する声が多く寄せられている。Steamの支持される理由に、PCゲームのライブラリを集積できることがあげられる。分散することは望ましくないと考える人は多いだろう。Epic Gamesは早速、同ストアにおいて『Subnautica』の無料配布キャンペーンを告知し、2週間に1本のゲームを配布していくことを発表するなど、独自の特典を打ち出している。ただし、Epic Gamesストアはまだ開始したばかりということもあり、ユーザー側には移行および利用する十分なメリットが提示されていない。そういった意味では、移行を志向する開発者とユーザーの間で温度差があることは否めない。Epic Gamesストアを利用するメリットがユーザーに提供されない限りは、こうした反発は免れないだろう。

そのほか、Team 17によるサバイバルFPS『Genesis Alpha One』もEpic Gamesストア独占であることも判明している。昨日弊誌で報じたように、『風ノ旅ビト』を筆頭としたAnnapurna Interactiveのパブリッシング作品も同ストア独占でゲームをリリースする意向があることが示唆されている。気になるのは、こうした作品はコンソール向けにもリリース予定(済み)であり、Epic Gamesストア独占のPC版は弾のひとつであるが、『Satisfactory』は今のところPC(Windows)独占タイトル。将来的にはコンソール展開も否定していないが、PC独占タイトルでありながらSteamというプラットフォームを捨てて、どこまで収益を確保できるか、心配になってしまう面もある。『Satisfactory』は開発のペースがずれこんでいることが報告されていることもあり、先行きは不透明。『Sanctum』などでPCゲームファンから支持を得た実力派スタジオは、新たな活躍の場所で成功できるのだろうか。

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