キツネアクション『FOX n FORESTS』Steamにて発売。「季節」を切り替えてステージを変化させ進む


パブリッシャーのEuroVideo Medienは5月18日、ドイツに拠点を置くインディースタジオBonus Level Entertainmentが手がけた『FOX n FORESTS』をSteamにて発売した。価格は2050円で、5月25日までは10パーセントオフの1845円で購入可能。海外ではPlayStation 4/Nintendo Switch向けにも発売されており、Xbox One版も今月中にリリース予定となっている。本作はキツネのキャラクターを主人公とする、16bitスタイルの横スクロール・アクションゲームだ。

『FOX n FORESTS』の主人公はキツネの「Rick」だ。とある森を訪れた彼は、「Patty」という名の一羽のヤマウズラと出会う。RickはPattyを食べるつもりで近づくが、森を襲う緑色の目をしたモンスターを追い払ってほしいとPattyから頼まれる。聞けば、この森の中は4つの季節が混在して時間が止まった状態にあり、それはモンスターたちが、この森で謎の5つ目の季節を生み出そうとしているからだという。このままでは森は弱っていってしまうばかりだが、Pattyだけではなす術が無く、ヒーローの登場を待っていたのだ。森を救う見返りに莫大な財宝が手に入ると聞いたRickは、“焼き鳥”は後でいただけば良いだろうと考え、「ああ、俺がそのヒーローだ」と話を合わせ、モンスターに奪われた4つの「魔法の樹皮」を取り返す旅に出る。

ゲームでは、さまざまな季節の森や洞窟などをジャンプアクションを駆使して進んでいく。冒険に先立って、Rickは武器となるクロスボウを授けられており、矢を放ったり銃剣で斬りつけたりして道中で出会う敵を倒すのだ。銃剣は、方向キーやジャンプとの組み合わせでさまざまな技を繰り出せる。またゲームを進める中では、銃剣をアップグレードして新たなアクションを覚えることができるほか、ボスを倒せば、矢だけでなく火の玉やワイドショットなどを撃てるようになる。アップグレードは、Pattyが営むショップで購入する形で、お金は敵を倒せば落とすほか、ステージ内のあらゆる場所で入手可能だ。ショップでは、体力の上限値アップなどのアイテムも売っている。

クロスボウにはもう一つ重要な能力があり、それは季節を変えられることである。それぞれのステージには基本となる季節があるが、特定の季節に変更でき、見た目だけでなくステージの構成を一部変化させられるのだ。たとえば春から冬に季節を変えると川が凍り、その上を通れるほか、氷の上に敵がいる状態で季節を戻すと川に落として倒すことができる。また一見先に進めない場所でも、秋に季節を変えると大きな落ち葉が降ってきて、その上に飛び乗って進めるようになる場面もある。

季節の変更はステージの攻略に欠かせない能力だが、使用するとマナを消費する。季節を変えている間は画面上のマナゲージが減っていき、ゼロになると元の季節に戻ってゲージは自動回復していく。そのため、上に挙げたような場面でもたもたしていると命取りとなるだろう。なお、クロスボウの通常の矢以外のショット(ワイドショットなど)を撃った際もマナを消費するため、強力だからと連発していると思わぬミスに繋がるかもしれない。

ステージの中では空の瓶を発見できることがある。これをPattyのショップに持っていくと、魔法を使用できる液体を詰めてくれる。炎や落雷、津波や竜巻を発生させるなど、自然に関連した強力な攻撃が可能で、使用できるのは1回だけだが、瓶はまた空になり再利用できる。ステージは基本的には一本道だが、パズル要素のほか、隠し通路など探索する楽しみも用意されている。また、Pattyに乗って進む横スクロール・シューティングのようなステージもある。

『FOX n FORESTS』は、2016年に実施されたKickstarterキャンペーンにて開発資金を得て開発された。16bitスタイルのグラフィックや音楽を採用したのは、開発者が『ゼルダの伝説』シリーズや『悪魔城ドラキュラ』シリーズ、『超魔界村』や『ワンダーボーイV モンスターワールドIII』『アクトレイザー2 沈黙への聖戦』などをプレイして育ったことからだそうで、これらのゲームは本作のゲーム内容にも影響を与えているそうだ。こういったスタイルのゲームは数多くあるが、季節を変えるというユニークなシステムと相まって、シンプルながら手堅いアクションゲームに仕上がっている。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。