物議をかもした人気YouTuberによる「青木ヶ原樹海動画」を揶揄するゲームがXbox ストアで配信。ただちに削除される

 

人気YouTuberとして知られるLogan Paul(ローガン・ポール)氏の炎上騒動を揶揄するゲーム「The Suicide Forest」が、Xbox Live Creators Programで公開された(Eurogamer)。ポリシー違反の指摘を受けたマイクロソフトは、問題のゲームをすぐさま削除している。削除される前の段階にて、マイクロソフトは海外メディアPolygonの問い合わせに対し「当該コンテンツは当社のストアポリシーに違反しており、現在削除の手続き中だ」と回答していた。

騒動の発端は、今年1月にローガン・ポール氏が公開した日本の青木ヶ原樹海で自殺者を発見した様子を収めた動画だ。自殺をあたかもからかうような内容に世界中から抗議が殺到。動画は24時間後に削除されたが、約630万人が視聴した。ローガン氏は謝罪動画を公開したものの、謝罪動画で巨額の収入を得ていたことや(のちに収益化は解除された)、当該動画以外でも常識を疑うマナー違反の行動を繰り返していたことに対して批判が巻き起こった。

一方でファンはローガン氏を批判したユーザーをバッシングするなど、騒動は拡大。YouTubeは一連の騒動を受けて、ローガン氏のチャンネルPrefferedプログラムから除外するなど対応。ローガン氏は自殺防止を訴える動画を投稿し、National Suicide Prevention Lifeline(全米自殺防止ライフライン)に100万ドルの寄付をすると発表していた。騒ぎは沈静化したかと思われたが、新たに騒動に便乗するゲームが現れたかたちだ。

「The Suicide Forest」は青木ヶ原樹海を捜索し、自殺者の遺体を発見することでYouTubeのチャンネル登録者数を増やすことを目的としたゲーム。公開中の動画には、(手抜き的な意味で)寂しい森の中を探索し、犬にかまれてゲームーバーになる様子や、遺体の前で踊りだす主人公、スマホ上でLogan Paul Vlogsの登録者数が急激に跳ね上がっていく様子などが収められている。なお、ゲームはレイティングPEGI 3(3歳以上)で公開されていた。

マイクロソフトは、Xbox Live クリエイター プログラムについて、「Xbox Live クリエイター プログラムでは、コンセプト承認が不要なため、簡単な認証手続きを行うだけで、開発者が直接、ゲームを Xbox One と Windows 10 で迅速に公開することができます。」と紹介している。今回はその手軽さが悪用されたかたちだ。こういった悪用に関して、マイクロソフトはPolygonに「ユーザーはゲームの製品ページ上か、あるいは[email protected]に直接レポートを送信することにより、不適切なコンテンツを報告することができます。」と回答している。

Store ポリシーには、次のような項目があり、今回の「The Suicide Forest」がいずれかに該当したことは確実と思われる。

11.3.2

アプリは、次のことを行うものであってはなりません。(a) エンド ユーザーやその他の人、動物に対して、安全上のリスクを招く、あるいは、不快感、傷害、その他の害をもたらす、もしくは (b) 物的財産または人的財産への損害もしくは損害のリスクをもたらす。 アプリの安全性テスト、証明書の取得、あらゆる適切な保護機能の実装すべてに関しては、お客様が単独で責任を負うものとします。 お客様は、プラットフォームの安全性また快適性の機能を無効にしないものとします。お客様はまた、法的に必要な、および業界標準の警告、通知、および免責事項をお客様のアプリに含めなければなりません。

11.4 誹謗中傷や威嚇
アプリは、誹謗中傷や威嚇を行うコンテンツを含んではなりません。

11.5 不快なコンテンツ
アプリおよび関連するメタデータは、人を傷つける可能性があるコンテンツや不快感を与える可能性があるコンテンツを含んではなりません。 現地の法律や文化規範により、特定の国または地域でコンテンツが人を傷つけたり、不快と見なされたりすることがあります。 また、アプリおよび関連するメタデータは、人種、民族性、国籍、言語、性別、年齢、身体障碍、宗教、性的嗜好、年功者としての地位、またはその他の社会集団のメンバーとしての見解に基づいた差別、憎悪もしくは暴力を主張するコンテンツを含んではなりません。

11.9 過度の冒とくおよび不適当なコンテンツ
アプリは、過度または不当な冒とくする言葉を含んではなりません。
アプリは、通常の人が非常識と考えるコンテンツを含むか表示してはなりません。

ローガン・ポール氏の青木ヶ原樹海動画を扱ったゲームははじめてではなく、Google Playストアでは、ローガン氏がYouTubeの高評価獲得を目指す横スクロールアクションゲーム「Logan Paul: Suicide Forest Run」が公開され、こちらもただちに削除されている(The Daily Dot)。


ゲーム世界の散策とスクリーンショット撮影を趣味にしています。コア、カジュアルを問わず、ハードルが低く奥が深いゲームに惹かれます。