新作協力アクション開発者がルートボックスの導入を否定。「アイテムは財布ではなくゲーム内で手に入る」ユーザーからは大きな反響


『Warhammer: Vermintide 2』を開発するFatsharkがルートボックスの導入を否定している。同スタジオのコミュニティマネージャーであるHedge氏はredditのQ&Aスレッドにて「俺たちはルートボックスやルートボックスを開く鍵を売ることはない。戦利品アイテム(loot)は君たちの財布ではなくゲーム内プレイで手に入る」とコメントした。コメントに対しredditユーザーらは歓喜の声をあげ、ゲーム内に要素に絡めた称賛や他のデベロッパーに見せたいといった投稿をしている。ほかにもこの発言はEurogamerPCGamerにも取り上げられ、Fatsharkの姿勢を支持するコメントが多く寄せられている。

『Warhammer: Vermintide 』シリーズはゾンビというより、ネズミやオークと戦う

ルートボックスとは、開けることでランダムにアイテムが手に入る要素だ。このボックスを開ける鍵を有料販売するなど、課金の手段として使われることがほとんど。最近導入されたシステムではないが、今年のホリデーシーズンにて発売される大型パッケージタイトルの多くがこうした課金を採用していることにより、その勢いは加速しつつある。メディアやユーザーから根強い反対の声が生まれつつあり、英国では同要素を「賭博」に認定すべきという運動も生まれている(関連記事)。

このコメントがさらに意味を持つのは、『Warhammer: Vermintide 2』がそうしたルートボックスに関連付けられそうな要素を含んでいるからだろう。前作である『Warhammer: Vermintide』は『Left 4 Dead』シリーズにも似たネズミを倒す協力型アクションゲーム。同作の特徴は、クリア後にランダムに報酬が得られるという点。ステージをクリアした際にゲームプレイに応じてサイコロを振り、その出目により装備品が入手できるという「ハクスラ要素」が存在していた。こうしたランダム性が一種のアクセントになっていた『Warhammer: Vermintide』とルートボックスの相性のよさは折り紙つき。そうした相性がありながら、あえてルートボックスを否定する姿勢を見せたことにより、ユーザーからの評価が高まっているわけだ。

もちろん、前述したコメント欄では「絶好の機会を逃した」「ただルートボックスが存在しないってだけでこれほど盛り上がるのは失笑する」といった冷ややかな投稿も少なくない。ただ、こうした発言によりある種の奇妙な一体感が生まれるシーンからは、今海外でいかにルートボックスへの反発が大きいかという現状を垣間見ることができるだろう。『Warhammer: Vermintide 2』は最近ゲームプレイ映像が公開されたばかり。スタジオの姿勢を支持したい人もそうでない人も、一度映像を見てみてほしい。