ニンテンドースイッチ版『RiME』の発売はなぜ他機種より半年遅れるのか、開発元が新ハードでの開発事情を語る

Grey Boxは今月初め、Tequila Worksが手がけた『RiME』のNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)版を11月14日に北米で、17日に欧州で発売すると発表した。本作はPC/PlayStation 4/Xbox One向けには今年5月に発売されており、およそ半年遅れのリリースとなる。予定されていたプラットフォームの中で、なぜSwitch版だけがこれほどまでに遅れてしまったのか、本作のプロデューサーCody Bradley氏は8月13日、『RiME』公式サイトで釈明した

本作はもともとPS4独占タイトルとして2013年のgamescomで正式発表された。その後Tequila Worksはソニーから本作の権利を買い戻し、昨年12月にPC/Xbox One/Switchを含むマルチプラットフォームに変更する。Bradley氏によると、Switch版の開発は昨年8月から取りかかり始めていたそうだが、当時はまだ任天堂がSwitchを正式発表する前だ。この新しいコンソールへの移植に際しては、これまでのゲーム開発で培った経験と勘を頼りにおこなうほかなかったそうだが、それが上手くいったか否かは開発の仕上げ段階に入った今年始めまで顕在化しなかったという。

結果的にBradley氏らは求めるクオリティには達していないと判断し、ほかのプラットフォームでの発売日を発表すると同時に、Switch版の最初の延期を決断した。Switch版の開発にはさらに多くのテストを重ねる必要があり、またアートコンテンツの作り直しも余儀なくされたそうだ。そしてそうした修正の実装段階に入ったところでもまた多くの時間を取られてしまい、予定していた今年第3四半期には間に合いそうもないと判断し、さらに延期して今回の11月発売という発表に至った。なおSwitch版の移植作業はTequila Worksと、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』や『ソニックマニア』のSwitch版など数多くの移植を手がけているTantalus Mediaがおこなっており、現在はシェーダーの最適化やバグの修正に取り組んでいるという。

Bradley氏は、『RiME』は特別なゲームであり、本作のプレイヤーがどのプラットフォームを選んだとしても同じ体験にならなければいけないと語る。Tequila Worksの設立者で本作のクリエイティブ・ディレクターRaúl Rubio氏も、今年5月に海外メディアGamereactorの取材に対してそれが最大の目標だと発言していた。また、本作はUnreal Engine 4を利用して開発されているが、Rubio氏は「多くの人はUnreal Engineのようなパワフルなエンジンならば、さまざまなプラットフォームにボタン一つで簡単に移植できると考えているかもしれないが、実際はそうシンプルなものではない。アーキテクチャもメモリもそれぞれまったく違うんだ」と語る。実際のところボタン一つで対応は可能だが、そのあとの調整が大変だったということのようだ。またSwitchにおいては、インターフェースについて考慮すべき点が多いことも理由の一つとして挙げている。その一つのHD振動に関しては、時間があれば何かに活かしたいとのこと。なお、Switch版はTVモード、携帯/テーブルモード共に720p/30fpsで動作することを目標にしているそうだ。

『Snake Pass』

マルチプラットフォームタイトルの中で、Switch版だけ発売が遅れるという事例は本作以外にもいくつかあり、やはり登場したばかりのコンソールということで、今回Bradley氏が明かしたように開発側としてはまだ手探りの状態が続いているのかもしれない。もちろん、Switch初のUnreal Engine 4タイトルだった『Snake Pass』について、開発元Sumo DigitalがPCからの移植はスムーズだったと語っていたように、メーカーやタイトルによって状況は異なる(関連記事)。いずれにせよ、Switchでの開発経験が溜まり知見が共有されるとともに、今回のような問題は解消されていくだろう。

『RiME』は、不思議な孤島に流れ着いた少年が、パズルを解きながら古代遺跡を探索するオープンワールド・パズルアドベンチャーゲームだ。Switch版は、任天堂公式YouTubeチャンネルの番組「ニャニャニャ! ネコマリオタイム」で以前紹介されており国内発売が決定しているようだ。ただし日本での発売日はまだ発表されていない。

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