林業シム『Lumberjack Simulator』開発中。森はあたたかい、林業はたたかい

 

発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第622 回目は『Lumberjack Simulator』を紹介する。今回ご紹介するのは個人制作の林業シミュレーター『Lumberjack Simulator』。森の中へ行き、木を切り、目的地まで木を運ぶ。といった一連の林業の流れを体験できるゲームだ。

プレイヤーは一人称視点で自由に森の中を歩き回ることができ、チェーンソーや斧を装備して木を切り倒すことができる。また、所有する車両にいつでも乗ることができ、森の中を突き進んだり、車両のカッターで木を切り倒したり、木を積み込んで運搬することが可能だ。悪路や障害物、切り立った崖がプレイヤーの行く手を阻む。このゲームにテレポートはない。なので、プレイヤーはどういったルートで伐採地点にまでたどり着き、そして切り倒した木をどのようにして目的地まで運ぶかを考える必要がある。いくつかのエリアではプレイヤーが地形に及ぼした影響が永続的に残るので、動画で見られるような車両が通行できる簡易的な橋を渡して崖を越えたり、道を塞ぐ丸太を取り除いたりなどして、文字通り道を切り開いていくことが可能のようだ。

このゲームの魅力は、なんと言っても豊富な特殊車両が登場するところだろう。お馴染みのピックアップトラックから丸太をつかみ荷台に載せるアームを供えた林業用特殊車両、さらには日本であまり見かけることのないwheeled buncherと呼ばれる木をつかんだまま根元から切り倒すことができる車両など、いかつい乗り物が用意されている。これらの特殊車両は、木を製材所に運び売ることで手に入るお金を使って購入することが可能だ。

プレイグラウンドとなる森の中の環境もさまざまだ。平坦な地面から勾配のある坂、乾いた土や砂利道からぬかるんだ泥道まで、道なき道がプレイヤーを待ち構えている。地形や路面に適した車両を選択したり、車両を理解した正しい操縦を意識してその場を切り抜けよう。うまくしないと車両がスタックして身動きが取れなくなったり、崖から転落してしまうこともある。林業は自然とのたたかいなのだ。また、車両はサスペンションやギア、トランスミッションなどのセッティングを変更することが可能で、行きたいルートに合わせたセッティングをすることでより走りやすくなるようだ。

本作の情報をみて、『Spintires』や『Farming Simulator』を思い起こされた方もいるだろう。制作者もホームページにてそれらのゲームや『Euro Truck Simulator』などいくつかのシミュレーターゲームに影響されて制作したゲームであると語っている。15年以上ゲーム以外のソフトウェア開発に携わってきた人間が初めて作るゲームがこの『Lumberjack Simulator』とのことだ。

『Lumberjack Simulator』は、Steamにて、今年2019年夏頃リリース予定。価格は未定。日本語はサポートされていない。余談になるが、カセットビジョン版の『きこりの与作』が発売されたのが今から38年前の1981年である。ドット絵すら超越した粗い塗りで表現された当時のグラフィックと見比べると、同じ木を切るゲームでもここまで違ものになるのかと瞠目してしまう。そんな時代の流れや電子ゲームの進化に思いを馳せつつ遊んでみるのもよいかもしれない。