発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第569回目は『Beat Hazard 2』を紹介する。
イギリスのインディースタジオCold Beam Gamesが、『Beat Hazard 2』を現在開発中だ。本作は見下ろし型視点のツインスティック・シューティングゲームで、音楽の曲調に合わせたゲーム展開と、目が痛くなるほどのド派手なエフェクトが特徴だ。同スタジオは、旧THQなどでプログラマーとして活躍したベテラン開発者Steve Hunt氏の個人スタジオで、独立後にリリースした前作『Beat Hazard』は、Steamレビューにて「圧倒的に好評」を得ている。
『Beat Hazard』シリーズでは、ゲームをスタートする前に再生する楽曲を選択する。ゲームに収録された公式サウンドトラックから選んでも良いし、PCに保存してある自分の音楽ファイルをブラウズすることもできる。また、インターネットラジオ局が流している曲もリストアップされるので、そちらを選択することも可能だ。本作では、FFT(高速フーリエ変換)技術を用いて再生中の楽曲をリアルタイムに解析しており、その情報を元に敵の出現パターンの調整や、自機の火力のブーストなどをおこなっている。つまり、楽曲の数だけ異なるゲーム展開が楽しめる作品なのだ。
フィールド内に次々に現れる大量の敵機を倒し、最後に巨大なボスと戦うというのがゲームプレイの基本的な流れ。1ステージの長さは、1曲の長さとなっている。敵を倒すとショットのパワーアップや、スコアの倍率アップ、また楽曲のボリュームアップをおこなうアイテムをドロップするので、これらを獲得して気分を上げながらスコアを稼いでいくのだ。ゲームモードには、1曲だけプレイするスタンダードや、フォルダ内の楽曲ファイルすべてをループプレイするサバイバル、ボスと次々と対戦するボスラッシュモードなどがある。
『Beat Hazard 2』は前作のパワーアップ版で、新たな戦闘機やボスが登場し、さらに強力なショット、さらにギラギラ眩いエフェクトが導入されるという。本作のボスは、再生している音楽の情報に基づいて自動生成され、バトル中には各パーツが展開して巨大戦艦に変形する。前作にも巨大なボスは登場したが、それを凌ぐ大迫力のバトルとなりそうだ。また本作には3Dライティングが導入され、ショットやエフェクトによる光と影により、機体がよりリアルに表現されているところもポイントである。
システム面では、楽曲選択に「Open Micモード」が追加される。これはゲームプレイ中のPCのバックグラウンドで流している音楽をゲーム内で利用できる機能だ。これにより、外部にAPIを提供していない音楽ストリーミングサービスを含め、事実上どのような音楽でも本作で利用できるようになる(アーティスト名や楽曲名などメタデータに基づく情報は取得できず表示されない)。そのほか、Unicodeを新たにサポートし、どのようなファイル名の音楽ファイルでも選択可能になるとのこと。前作では日本語のファイルは文字化けしたり取得漏れがあったりしたため、日本人プレイヤーにとって嬉しい改善点だろう。
『Beat Hazard 2』は、前作のDLCを含む基本的なゲームプレイを受け継ぎながらパワーアップをおこなっている。ただしマルチプレイに関しては、少なくともオンラインには対応しないとのこと。発売時期は今後数か月以内とされており、Steamにて早期アクセス販売をおこなう計画だ。公式サイトでは予約販売をおこなっており、購入者はSteamキーのほか、プレアルファ版やベータ版を入手できる。価格は18.99ドル(約2100円)。前作のファンだった方や、興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。