『ワンダと巨像』から影響を受けた国産2Dアクション『救う』開発中。小さき少女が巨大な竜たちをなぎ倒す


発売前や登場したばかりのインディーゲームから、まだ誰も見たことがないような最前線の作品を紹介してゆく「Indie Pick」。第420回目は『救う-SHE SAVE-』を、開発者であるいくちおすてご氏からうかがった話もまじえながら紹介する。

『救う』は横スクロール型の2Dアクションゲームだ。プレイヤーとなるのは角の生えた小さな「少女」。少女にはなんらかの使命があり、戦う決意をしたという。しかし彼女の前には何体もの「巨大な竜」が立ちはだかる。圧倒的な強さと大きさを誇り、それぞれ個性を持つ竜に、小さな少女は立ち向かう。

敵となるのは、巨大な竜のみ。つまり、全編にわたってボスとの対決が繰り広げられるということになる。少女は、超人的な能力を持っているわけではないので、平地にて剣と盾と回復魔法を使い竜と戦う。アイテム収集や成長といった要素はなく、あくまで「ボスとの戦闘」に焦点を絞っているという。こうしたゲームデザインからわかるとおり、本作は『ワンダと巨像』から強い影響を受けており、また『ラビリンスの彼方』を参考している点もあるといくちおすてご氏は語っている。

ゲーム画面に表示される数字は、少女の頭上に現れるHPの数字のみで、インターフェイスはシンプルなものになっている。いわゆるHPバーではなく、数字を選択した理由は「ダメージ量や回復の効果がわかりやすく、プレイヤーの視線に近い位置にあるので残耐久の管理が意識しやすいし、敵が手前を横切ってもプレイヤーの位置が把握できるなど、利点が多かったから」であると氏は語っている。戦闘は、アクションゲームながら、慎重に行動を選択する必要があるという点で『モンスターハンター』に近い感覚もあるのだという。自分の行動と敵の攻撃が交互に発生するテンポとなっており、難易度はそれほど高くないながらも、アクションゲームの腕前とRPGを遊ぶ際の判断力の両方が求められるような作品になりそうだ。

特筆すべき点は、やはりビジュアルだろう。ドット絵で描かれる竜はかなり迫力があり、一方で少女はかわいらしい。トレイラーでは少女と竜が戦うシーンが映されているが、巨大な竜がダイナミックなアニメーションを見せており、臨場感のある戦いが描かれる。3D的な表現を採用しているステージもあり、「迫力」に関してはこだわりが込められている印象だ。

いくちおすてご氏は2007年からHSPプログラムコンテストに幾度も参加するなど、ゲーム制作を続けており、PlayStation Mobileでゲームタイトルをリリースしてきた経歴を持つ。今回の『救う』は2016年のデジゲー博にも出展されていたので、見たことがあるかたもいるかもしれない。

『救う』は2017年春から夏のリリースを目指して開発中。現在Steam Greenlight審査中であるので、興味を持った方はチェックしてみてはいかがだろうか。いずれはPlayStation 4などコンソール機での発売も検討しているとのこと。