Steam協力“おトイレ我慢”ゲーム『We Gotta Go』は“うんちだらけ”のお下品ゲーム……だが出オチではない。意外にも骨太なローグライトACTだったゲームプレイを紹介

本作はかなり変わった設定ながら、中身は骨太の一人称ローグライト・アクションゲームだ。ただのお笑い一発ギャグゲームではなく、しっかりゲームとして楽しめる。

パブリッシャーのMad Mushroomは4月15日、FuzzyBotが手がけるホラーコメディゲーム『We Gotta Go』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、ゲーム内は日本語表示に対応している。

本作は最大4人協力プレイ対応の、一人称視点のアクションゲームだ。テーマとなっているのは、おトイレ探しである。主人公たちはお腹が限界に来て、トイレを借りに幽霊屋敷を訪れた旅行者という設定だ。しかしトイレを貸したくない屋敷の主は、トイレに鍵をかけてしまった。プレイヤーは幽霊だらけの屋敷を探索し、トイレの鍵を見つけ出して無事に用を足すことを目指す。

今回弊誌は、本作をリリース前に先行プレイする機会に恵まれた。本稿ではそんな『We Gotta Go』のゲームプレイについて紹介する。先に筆者の印象をかんたんに述べておくと、本作はちょっと、いやかなり変わった設定ながら、中身は骨太の一人称ローグライト・アクションゲームだった。ただのお笑い一発ギャグゲームではなく、しっかりゲームとして楽しめる作品だ。なお、今回プレイしたのは先行プレイ用のバージョンであり、製品版とは一部仕様が異なっている可能性があることに留意されたい。

本作のゲームプレイは、旅行者たちが道路脇の雑貨店に寄ったところから始まる。近年の協力プレイ重視のローグライトゲームによく見られる形式で、お店で武器や懐中電灯などのツールを購入したのちに、幽霊屋敷に乗り込む流れとなる。ちなみにストーリー的には、プレイヤーたちはお店でブリトーを食べてお腹を満たし、その後トイレを借りようとしたが、あいにくお店のトイレが故障していたという流れになっている。切迫感がよく伝わり、個人的にはとても共感できる導入だった。

切羽詰まったプレイヤーたちは近くの幽霊屋敷を訪れ、トイレを求めて探検することに。しかし屋敷内には幽霊がたくさんおり、戦闘をこなしつつ奥に進んでいくことになる。基本アクションとしては、まずキックとダッシュ、それに回避といった動作が存在。敵の攻撃をかわしつつ、キックで敵を倒すのが基本的な動きとなる。プレイヤーの動きはなかなか機敏で、一人称アクションゲームとしてしっかり作られている。一匹ずつ敵を蹴り倒していくのは比較的かんたんで、なかなか爽快である。

しかし、好きなだけキックができるわけではなく、本作ならではの制限がある。本作にはお腹メーターというゲージが存在する。言ってしまえば便意を象徴するメーターだ。お腹メーターには茶色のうんちゲージと緑色のおならゲージがあり、敵の攻撃を受けるとうんちゲージが上昇。うんちゲージがマックスになると、耐えきれなかったということで、プレイヤーは倒れてしまう。一方、おならゲージがマックスになると、お腹がガスでパンパンになり、すべての動作が遅くなる。おならゲージはキックやダッシュなど派手な動きをするたびに溜まっていくが、その名の通りおならをすることで解消できる。

要は、うんちゲージはHP、おならゲージはスタミナのような働きをしている。アクションするたびにお腹にガスが溜まるものの、定期的にガス抜きすることですっきりして、また素早く動けるようになるのだ。しかしおならの動作自体に若干隙があるため、タイミングを見計らう必要がある。またおならゲージはどれだけガス抜きをしても、うんちゲージの現在位置までしか回復しない。そのためうんちゲージが限界ギリギリの状態だと、いくらおならしてもすぐにガスが溜まってしまい、まともに動くのが難しい状態となる。できるだけ攻撃を受けないようにして、お腹に余裕をもたせておくのが重要なのだ。ようするにHPが減るとスタミナの上限も削られるというわけである。

しかしこの攻撃を受けないように、というのがなかなか難しい。それぞれの敵の動きは比較的シンプルで見切りやすいのだが、一度に出てくる敵は一匹ではない。まだ余裕がある状態だと思っていても、囲まれて連続で攻撃を受けたりするとあっという間にうんちゲージが溜まり、気がつくと大ピンチになっていることがある。

また本作には近接武器や銃っぽい遠距離武器なども登場するが、道具は一度に三つまでしか持ち歩けないうえに、どれもわりとすぐに壊れてしまう。その分お皿を投げつけるなどオブジェクトを利用できたりするし、各部屋にいろいろなアイテムが落ちている。安心できる瞬間はなく、その場ごとに持っているアイテムを駆使して切り抜けるような、アドリブ対応も求められる作りだ。緩急をつけて迫りくる便意を我慢するかのごとく、プレイヤー側もずっと切迫した状況が続く。

また本作のもう一つの特徴として、「館の怒り」というメーターが存在している。プレイヤーが館内をうろついたり、物を壊したり、おならをしたりすることで、この怒りメーターが上昇。マックスになると館の主の怒りが限界に達し、イベントが発生。敵が大量に出たり、トラップから一定時間逃げ回ることになったりと、やっかいなトラブルが発生する。できるだけ館の主は怒らせたくないが、家具を壊したり敵と戦えば、アイテムが手に入る機会が増える仕組みだ。怒らせないようにこっそり探検するか、がっつり戦いながら大胆に屋敷を漁るかは、本作の悩ましいところとなっている。

いずれにせよ屋敷のどこかでトイレの鍵を見つけると、次はいよいよ目標のトイレを目指して一目散に向かうことになる。しかしトイレの鍵を見つけた後は屋敷の雰囲気が変わり、敵が大量に登場。一方、プレイヤー側もおならゲージが無効化され、派手な動きをし放題となる。またトイレの位置は常に館の入り口正面と固定されているため迷うことはなく、現在位置からの道のりも分かりやすく表示されるように。つまりここからは探索ではなく、正面切っての乱戦となるのだ。

ダッシュですり抜けていくにせよ、すべて倒して進むにせよ、鍵を見つけた後はスピード感あるラッシュ的な展開に一変する。もはやおならを気にしなくていいので動きはかなりハイテンポになるが、敵の数も相応に多く、バトル重視のアクションゲームといったノリだ。またうんちゲージは無効化されないため、敵の攻撃を受けすぎればもちろん、ゴールを目前に力尽きる可能性もある。どうしてもおトイレを借りなくてはならないプレイヤーと、絶対に貸したくない館の主の最後の激突というわけだ。

筆者の初見プレイ時は多すぎる敵を捌ききれず、攻撃を多数受けて限界ギリギリとなりながら、滑り込むようになんとかトイレにたどり着くことができた。「もうダメかもしれない」という身に覚えのある緊迫感と、そこからの解放の瞬間である。便器に座った瞬間の安堵感は、初見プレイのはずなのに妙に親しみのある感覚だった。

しかしやっとの思いでおトイレにたどり着いたのに、残念ながら解放というわけにはいかなかった。館の主は本気で怒っているようで、プレイヤーたちはゴールにたどり着きながら目的を果たすことなく、別の場所にワープさせられてしまう。つまり次ステージにそのままなだれ込むことになる。

飛んだ先にはなぜかお店が存在しており、屋敷内で見つけたコインを使って道具を買い求めることが可能。お店でアップグレードアイテムを買ってお尻に差し込めば、ダッシュしてもおならが溜まらないなど、さまざまな能力を得ることができる。そうして準備を整えつつ、今度こそおトイレを探して次のバイオームをさまようことになる。すでに限界ギリギリだった初見プレイ時の筆者は、第2ステージの開始早々限界を超え、無念の最期を遂げてしまった。なかなか手強い作品だが、ゴールの楽園にたどり着いたときの達成感はかなりのものがありそうである。

本作はいちおうホラーコメディというジャンルになっているが、いよいよ限界を超えるかもしれないという焦りを除いて、筆者が恐怖を感じた瞬間はなかった。コメディ要素の方がはるかに強い作風といえるだろう。一方ゲームプレイは、意外と言ったら失礼かもしれないが、直感的に動ける手触りのよいアクションが整備。全体にバッチいジョークをバラまきつつ、ローグライト・アクションとしてしっかり作りこまれていた印象だ。決してお下品なだけの一発ネタ作品ではない。

また本作は公式で、協力プレイ推奨と謳われている。ひとりのプレイヤーが一度に持ち歩けるアイテムの数がそれほど多くなく、また倒れたプレイヤーはうんちに転生し、味方が持ち歩けばわりとすぐに蘇生できるなど、基本的には連携が推奨されている。

一人称視点というシステムの都合上、本作では自キャラを眺める機会はあまりないが、パンツを汚した場合は下半身がモザイク表示され、定期的にみんながおならをぶっ放すなど、見た目のシュールさはかなりのものがある。ソロプレイで真面目に館の攻略に取り組んでも楽しめるが、フレンドと互いの姿を笑いながら遊ぶと、また違った楽しみ方ができる作品だろう。

『We Gotta Go』はPC(Steam)向けに配信中だ。ゲーム内は日本語表示に対応している。

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Akihiro Sakurai
Akihiro Sakurai

気になったゲームは色々遊びますが、放っておくと延々とストラテジーゲームをやっています。でも一番好きなのはテンポの速い3Dアクションです

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