PS4向け『STEEL RATS』は、バイクゲームの新たな進化形だ。横スクロールバイク作品に「探索」と「戦闘」を取り入れたホイールアクション

パブリッシャー3gooおよびTate Multimediaは、11月29日に『STEEL RATS(スティール ラッツ)』をPlayStation 4向けに国内発売する。海外向けにはTate Multimediaから、SteamおよびXbox Oneでも発売予定。『STEEL RATS』は、ディーゼルパンク世界を舞台にした、アクションゲームだ。プレイヤーはバイカー集団「STEEL RATS」の一員としてバイクにまたがり、鉄くずから生まれたジャンクボットに支配された街で戦っていく。

Tate Multimediaといえば、これまで『アーバントライアル』シリーズを手がけてきたスタジオ。『アーバントライアル』シリーズは、Ubisoftの『Trials』を筆頭とした従来のバイクゲームの影響を受けつつ、より爽快感を重視するアクションゲームだ。同シリーズは、操作感などを含めて比較的カジュアル向けの作品であったが、『STEEL RATS』は一転、ディープな世界で繰り広げられるコアな雰囲気をまとう作品になっている。先日開催された東京ゲームショウ2018にて、Tate Multimediaのヘッド・オブ PR&マーケティングのMichał Azarewicz氏とマーケティング・マネージャーのMarta Matyjewicz氏が来日。両人による解説を聞きながら、『STEEL RATS』のプレイを先行して体験することができた。今回は、その内容をお伝えしたい。

ヘッド・オブ PR&マーケティングのMichał Azarewicz氏とマーケティング・マネージャーのMarta Matyjewicz氏

『STEEL RATS』では、バイクにまたがり横スクロールのステージを進行していく。操作としては、R2ボタンでアクセルを踏み、L2ボタンでブレーキをかけるというオーソドックスな仕様。この説明だけ聞くと、従来のバイクアクションゲームをディーゼルパンク風にしただけのように聞こえる。しかし、本作ではさまざまな個性が加えられている。その代表とされるのが、横スクロールゲームながら奥行きの概念が加えられていることだ。具体的に説明すると、×ボタンを押しながら左スティックを入力することで、プレイヤーは「奥」や「手前」に移動する。×ボタンを押すと、バイクがラジコン操作になり、横だけでなく奥や手前に行くことができる。Azarewicz氏らはこれを2.5Dと紹介している。

奥行きの概念が追加されたことにより、より行ける場所やギミックの幅が広がる。すでにお気付きの方もいるかと思うが、本作はひたすら右に進んでいくだけの従来のバイクゲームではない。むしろ、アクション・アドベンチャーと表現するほうが近いだろう。一度行ったところに戻ることもあるし、ギミックの発動を待つために何もせず待機することもある。本作では敵との戦闘も存在し、□ボタンで攻撃し敵を倒すこともある。また、バイクゲームにおいては一般的に横転すると、リスタートになるわけであるが、本作では横転しても問題はない。バイクが自動で反り返り、正しい姿勢へと戻してくれる。一方で、高いところから落ちたり、トラップにハマったり、敵の攻撃を食らったり、そうしたダメージを受けることでリスタートになるようだ。見た目こそは、ディーゼルパンク版『アーバントライアル』であるが、ゲームジャンルは全く異なるのである。だからこそ、“新感覚ホイールアクション”と銘打たれているのだろう。

ただしゲームプレイの土台は、一般的な横スクロールバイクゲームの上にある印象を受ける。かっとばして坂を降りたり、ジャンプ台を飛び出し宙へと浮いたり、あげくは天井まで走る。同ジャンルにおける疾走感や爽快感は健在で、そこにフィクションならではのアクロバティックなアクションが加わった。それでいて、探索や戦闘といった新たなレイヤーが加わることにより、ゲームがより複雑になっている。筆者は奥行きを使った移動に慣れるまでかなり手こずっていたが、Azarewicz氏は「慣れると最高と感じられる」と自信満々に語っていた。探索でのギミックはホイールを使った手の込んだものが多く、キャラクターの切り替えを利用したものも出てくるようで、「探索ゲーム」としてかなりこだわりをもって作られている印象を受けた。

ステージ数はかなり多く、収集アイテムといったやりこみも用意されているほか、各ステージにミッションが存在しているので、繰り返し楽しめるとのこと。バイクゲームというと、難易度の上昇が突如激しくなる作品も多いが、今作では段階的にじりじりと難しくなっていくそうだ。印象的だったのが、Tate Multimediaの両人が「ゲーマーにむけて」作っていることを強調していたこと。ゲーマーが楽しめるように設計されており、やりこみも含めて満足してもらえることを目指して開発していると語っていた。オリジナル作品として、並々ならぬ意気込みをもって作っていることがわかる。

『アーバントライアル』シリーズのノウハウを引き継ぎながらも、探索型のアクション・アドベンチャーとして作られている『STEEL RATS』。デモ版を遊んだ段階で、筆者はあまりこれまで遊んだことのないタイプの作品であると認識し、バイクゲームのひとつの進化形であるとも感じた。初報時から世界観については魅力を感じていたが、今回ゲームプレイについても堅実かつ新鮮味のあるものとして作られていると実感。同時に、Tate Multimediaの、独自の作品を作りスタジオとして次のステージへと進もうという意思も感じられた。バイクゲーム好きもそうでない人も、11月29日には本作をトライしてみるといいだろう。

なお3gooは本作のほかに、12月20日にPS4/Nintendo Switch向けに『バトルプリンセス マデリーン』を発売予定。こちらも試遊させてもらったところ、発売が楽しみな出来だった。同作は、『魔界村』からインスパイアされて作られていることで知られているが、操作感も良い意味で類似しており、主人公“マデリーン”を動かしやすかった。敵は無数に湧き続けるので難易度はかなり高いが、道中にアイテムを集めていると鎧がかなり分厚くなっていくので、試遊版ではマデリーンは攻撃を食らってもなかなか死なず、この手のジャンル作品が苦手な人でも遊べるように感じた。

『STEEL RATS』と『バトルプリンセス マデリーン』はそれぞれジャンルの異なる作品であるが、ともに光る部分があり、『チャリオット』などを発売してきた3gooらしいチョイスであると感じた。同社は『Dead by Daylight』のPS4パッケージ版の販売権を獲得しており、目立つ動きを見せている。Nintendo Switch専用タイトルとして発売される『ギア・クラブ アンリミテッド2』の発売も予定。同社の今後の展開にも、注目してみるといいだろう。

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