若き神宮寺三郎を描く『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』が12月13日発売へ。声優には中村悠一、藤村歩、小林愛香を起用

 

アークシステムワークスは920日の東京ゲームショウ2018で行われた『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』(以下『ダイダロス』)の紹介ステージのイベントで、本作の発売日を20181213日と発表した。対応プラットフォームはPlayStation4/Nintendo Switch/Steam

『ダイダロス』は神宮寺三郎シリーズの最新作にあたるが、それまでのシリーズの慣例を破り、新宿ではなくニューヨークを舞台にして、若き神宮寺三郎を描く。今年8月に発売したばかりの『探偵 神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』には『ダイダロス』の体験版が付属しているほか、東京ゲームショウ2018でも同内容の『ダイダロス』の体験版が展示されている。

体験版の『ダイダロス』からは、少年時代の神宮寺三郎が祖父である神宮寺京助から、人生の教訓などと共に、推理の思考方法を習う場面をプレイできる。本作はそれまでのコマンド選択型アドベンチャーゲームから、ポイント&クリックアドベンチャーに変化しており、背景は一見して2Dのようだが、これは疑似的なもので、実際は360度と見渡せてオブジェクトを調べることができる。背景から気になるところを調査したり、人との会話で情報を収集して、「思考の森」と呼ばれる神宮寺の言語の森のようなビジュアル化された思考過程を成長させて、推理を完成に至らせることが本作のシステムだ。またこれまではハードボイルドでクラシックな渋い雰囲気だった神宮寺三郎シリーズであるが、今作は色鮮やかできらびやかなビジュアルデザインを採用しており、これまでのシリーズとはまったく異なる印象を受ける。

プロデューサーの金子宝巨氏(中央)と、ディレクターの眞名井はるか氏(右)。

紹介ステージのイベントでは、プロデューサーの金子宝巨氏と、ディレクターの眞名井はるか氏が登壇した。本作ではシリーズでも随一の評価を誇る『探偵 神宮寺三郎 夢の終わりに』のシナリオを手掛けた稲葉洋敬氏が起用されていることも特色のひとつである。もともと金子氏と稲葉氏は接点がなかったが、ネットの情報を頼りに稲葉氏を探し当て、稲葉氏の神宮寺三郎シリーズのカムバックが実現したという。

また金子氏は「今までとは全く違う『神宮寺三郎』を作りたい」と稲葉氏に提案したところ、稲葉氏自身も「違うものならやりたい」と了承したという。そもそも稲葉洋敬氏が手掛けた『夢の終わりに』自体が、シリーズの慣例を破った作品としてファンには知られている。それまでのタフな神宮寺三郎が過去の事件の悪夢にうなされており、助手の御苑洋子とのややもすれば危うい関係まで描いた。『ダイダロス』が『夢の終わりに』の前日譚と一部でアナウンスされているのは、このように『夢の終わりに』が神宮寺三郎の過去に初めて踏み込んできた作品だからである。ちなみに『クロス探偵物語』の神長豊氏がシナリオを手掛けた『探偵 神宮寺三郎 Innocent Black』も『夢の終わりに』の設定を踏襲しており、『夢の終わりに』と共に異色作として知られている。

こういったシリーズに新風を吹き込んだ稲葉洋敬氏の神宮寺三郎作品の復帰について、金子氏は「シリーズのファンに怒られるのではないか」と心配しつつ、開発が終盤に入ったことを報告した。360度見渡せる背景については、それの元となる撮影のために、ニューヨークの現地の会社に依頼。季節を感じさせない撮影をしたかったのだが、現地の雪が溶けなくて、ゲームに組み込めなかったり、夏にならないとサマーキャンプが開かなくて予定していた撮影ができなかったりと、季節の点で苦労したことを明かした。

体験版が公開されたときから、ファンの間では一部の声優が推測されていたが、今回、正式に声優の起用が発表された。まず若き神宮寺三郎を演じるのは中村悠一さん。青年らしさ、今までの神宮寺三郎のイメージをフレッシュにする意図で、シナリオの稲葉洋敬氏からの要望があったという。今回、はじめて神宮寺三郎と出会う御苑洋子は、藤村歩さんが演じる。これまでのシリーズの洋子だと、大人しい優等生的なキャラのイメージだが、本作では少し冷たい感じの芯のある強い女性を表現したいということから抜擢されたという。祖父の神宮寺京助を演じるのは小杉十郎太さん。小杉十郎太さんといえば、シリーズでもっとも神宮寺三郎を演じたことが多い声優である。今までの神宮司三郎はどのようにしてできてきたのかを表現したい、そしてDNAが一緒なのだから声も似ているだろうと、小杉さんにお願いしたという。シリーズのファンならば嬉しい起用といえるだろう。

さらに『ダイダロス』で初めて登場するアビーという新キャラが発表された。神宮司三郎の幼馴染という設定で、ニューヨークに居たころに一緒に遊び、少女から成長した女性となって、神宮司三郎と再開する形になるヒロイン的なポジションのキャラクターだという。そしてこのアビーには小林愛香さんが演じることも同時に発表された。一般公開日の923日(日)の16:0016:30にはこの声優の小林愛香さんが登壇して、ステージイベントを行う予定なので、気になる方はチェックしてみて欲しい。

1213日の発売日決定に合わせて、通常版と限定版が発売されることも発表。限定版にはBOXに『夢の終わりに』の20周年メモリアル卓上カレンダー、サウンドトラックCD、設定資料集が付属する。また通常版・限定版とも早期購入特典にはオリジナルコルクコースターが付属するという。最後に、プロデューサーの金子宝巨氏と、ディレクターの眞名井はるか氏は、これまでの作品とは全然違うので、シリーズファンの方も、新規の方も遊んでみて欲しいとアピールして、ステージを締めくくった。