Nintendo Switch(有機ELモデル)は2021ベスト買い物。Switchで遊べるデッキゲーム紀行。『It Takes Two』は気まずさのない協力ゲーム。今週のゲーミング

 

Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。318回目です。新年あけましておめでとうございます。

今年も物欲刺激するモノに期待

2021年はゲームソフトはもとより、コントローラーからキャプチャ機器、ゲーミング割り箸ホルダーまで、ゲーム関連ハードもさまざま購入した年でした。そのなかで良い買い物だったと一番感じているのは、Nintendo Switch(有機ELモデル)です。やはり大きな画面は良い。最初は有機ELの鮮やかさに感動する一方で、一部ゲームでの色の飽和感が若干気になっていましたが、もう慣れました。本体背面の表面処理が変更され、手垢などの汚れが付きにくくなった点も地味に素晴らしい。ちなみに約3か月使用していますが、Joy-Conはまだドリフトしていません。

ずっと品薄だった有機ELモデルは、少し前から普通に買えるようになってきた様子。ただ任天堂の古川社長によると、半導体不足や物流の混乱の影響により、この年初以降に供給が停滞する可能性があるとのこと(京都新聞)。購入を検討している方は、買える時に買っておきましょう。
by. Taijiro Yamanaka


2021年の名作、2021年のうちに

なんとか2021年内に滑り込みで『It Takes Two』を遊べました。家族の年末休みに合わせてのプレイでしたが、セールで半額になっていてちょっと得した気持ちに。感想としては、一緒に遊ぶ2人の思い出となるよう、丁寧に作り込まれたタイトルという印象です。

プレイしていて驚いたのですが、本作では2人協力プレイで稀によく生じる“気まずさ”がほとんどありませんでした。片方が先に行き過ぎてしまってもう片方が置いてけぼりになったり、片方がうまく操作できなくてもう片方がモダモダしたり、といったやつです。本作は基本的に1人でどんどん先に行くことはできないようになっており、出遅れた方が置いてけぼりになる前に2人で協力して道を拓くギミックが置かれています。お互いに得意なゲーム分野が違う私たちでしたが、待つことも待たされることもなく、ストレスのない協力プレイを楽しむことができました。

ゲームの本筋に関係のない、観光的な楽しみ方ができたのも良かったです。かわいいものや面白いもの、ヘンなギミック。それらを見つけながら冒険した経験が、自分たちだけの思い出となるのでしょう。2021年の終わりにとても良い体験ができました。2022年も面白いタイトルがたくさん出てくることを楽しみにしています。
by. Aki Nogishi


ここはイケメンインフェルノ

年末にかけて『Hades』を遊んでいました。大好きなSupergiant Gamesの作品なので、「万全のコンディションでどっぷり遊ぼう」と大事に取っておいた結果1年ほど寝かす結果に。そうも言っていられなくなり遊んでみると、やっぱり最高でした。まずゲームプレイ面は各所で絶賛される通りの出来の良さ。そして、個人的には魅力的な男性キャラクターの揃いっぷりが嬉しい。全員推せる。個人的には、パパことハデスがお気に入りです。でもタナトスもいいな。ヒュプノスもかわいい。それから、犬が撫でられるのは極めて重要な要素だと思います。

推しはさておき、本作において筆者が感じたのは、同スタジオの前作『Pyre』との対称性でした。前作においては、逃れ得ぬ離別に向かって突き進む、取り返しのつかない片道の旅が描かれました。一方で、本作『Hades』においては、何度でも繰り返すゲームプレイループのなかで、人々との切っても切れない絆を深めていく設計になっています。また、過去作に通じて存在した、滅びに向かうような切なさが鳴りを潜めているのも印象的。ある種少年漫画のような、プラスの方向に向かって成長するザグレウスの物語は、Supergiant Gamesのファンとして意外かつ嬉しいものでした。とはいえ、まだまだ本作を遊び尽くせる気配はありません。今年も長く遊べそうな1本です。
by. Seiji Narita


食ってゲームするだけの獣

年末年始は、有機EL版のSwitchを堪能すべくデッキ構築ゲーム探しに勤しんでいました。Steamでこそ多いデッキ構築ゲームですが、バランス調整のためSteamでは早期アクセス配信を選ぶデベロッパーも多いためか、Switchではこの手のゲームはまだ比較的少なめ。漁りまくった結果、個人的に刺さったのは『イリスと巨人』でした。

イリスと巨人』は2020年2月に発売されたデッキ構築ゲーム。ただし、デッキカードは消耗型で一部を除いては使用は一回きり。なので、デッキを構築するというより回し続けるほうが近いかもしれません。そうしたレビューを見た感じ、内容に不安アリだったのですが、かなり面白い。カードは前述したように消耗型。そして位置関係がかなり重要なので、『Slay the Spire』というより、『Into the Breach』や『ファイアーエムブレム』に近い印象。どのカードを拾って、どこの敵を倒すことで、ダメージを回避するか。いうなればカード型詰将棋という感じですね。難易度は高いのですが、こちらの強化もしっかりされるので、理不尽感はまだ控えめ。戦略は単調になりがちですが、筆者はそこも含めてお気に入り。ゲームのテンポもいいので、さくっとはじめてずっしり遊んでしまいました。もっと積みゲーを消化したかったのですが、これも一興。今年もデッキ構築ゲームの盛り上がりに期待です。
by. Ayuo Kawase