PC版『マインクラフト(Minecraft)』大型アップデートが実施。バージョン1.9では主に戦闘面が強化

 

MojangはPC向け『マインクラフト(Minecraft)』の大型アップデートをおこなった。バージョン1.9となる今回のアップデートは、主に戦闘面を強化する内容となっていることから「コンバットアップデート」と名付けられている。

 

戦闘関連のアップデート

これまでのバージョンでは、敵対モブと戦う際に、右手で剣を持ち目の前に構えることで防御の態勢をとっていた。しかし今回盾が登場したことにより、両手の概念が追加され、盾を持ちながら戦闘をおこなえるようになった。同時に利き手の概念も追加され、たとえば左利きの人は左手に剣を持ち右手で盾による防御をすることになる。利き手に盾を持っている状態でFキーを押すと、反対の手に持ち替えできる。

利き手の操作方法は従来と変わらず、反対の手は右クリックで操作する。利き手にピッケル、反対の手に松明を持った状態で穴を掘り進めれば、アイテムを持ち替えることなく松明を設置していくことが可能。さらに、利き手で作業をしながら反対の手に地図を持ったまま移動できるのも利き手オプションが追加されたことによる大きな利点だろう。ただし利き手ではないほうの手は、盾および設置アイテムしか使えないので、両手に剣を持って二刀流プレイ……というのはできない。なお利き手をどちらにするかは設定のスキンカスタマイズにて変更できる。

変更されたのは攻撃の体制だけではない。剣攻撃での動作やエフェクトが大きく変わり、なぎ払うようなモーションに変更された。モブがダメージを受けた際にはハートのエフェクトが出現し、どのくらいダメージを与えたのかが視認できるようになった。また、斧を用いることで特殊な痛打攻撃を繰り出すことが可能だ。

剣攻撃がなぎ払うようなモーションになり、攻撃対象へのダメージが視認できるようになった。
剣攻撃がなぎ払うようなモーションになり、攻撃対象へのダメージが視認できるようになった。

さらに、弓矢にも大きな変更があった。これまでは弓にエンチャントを行うことでのみ効果を付けることができた。しかし1.9からは効果付きの矢が登場し、それをモブやプレイヤー自身に向かって放つことで攻撃対象に追加効果を付与することができるようになる。追加効果は、これまでエンチャントにあったものがほとんどだが、ひとつ重要な効果が追加された。それが発光の矢だ。名前だけではどんなものか想像はつきにくいが、この矢を一度モブに打ち込むと、プレイヤーとモブの間の視界を遮るオブジェクトなどが存在しても、モブの場所が透けて見えるのだ。これで暗い場所だろうと洞窟の中であろうと、敵を見失い奇襲をくらう心配が減ることになるだろう。前述した利き手の反対の手に矢を持つことで、その矢を優先的に使用することができるのでぜひ活用してほしい。一方で、プレイヤーが装備する防具は弱体化されており、バージョン1.9はより攻撃要素の充実にウェイトを置いたアップデートだといえる。

発光の矢を打ち込んだクモが水中にいてもその姿をはっきりととらえられる。
発光の矢を打ち込んだクモが水中にいてもその姿をはっきりととらえられる。

 

その他のアップデート

戦闘関連以外で大きなアップデートといえるのが滑空翼の追加だ。見た目は昆虫の羽のようではあるが、これを装備し、落下中にスペースキーを押すことによって空中をパラグライダーのように滑空できるようになる。ただ、エンドの船にある額縁からしか入手できないようなので、かなりレアなものであるといえる。革を用いた修理やエンチャントも可能なので、入手できれば爽快な滑空を楽しめるだろう。

新たなモブ「シャルカー」が追加される。シャルカーは硬い殻にこもった敵対モブで、攻撃をするか時間が経つと殻から顔を覗かせる。殻を閉じていても何度か攻撃していれば倒すことはできるが、時折エンダーマンのようにテレポートすることもある。シャルカーのほかにもスケルトンの馬に乗ったスケルトンライダーも追加されている。

シャルカーは硬い殻の中からこちらをいぶかしげに見つめている。
シャルカーは硬い殻の中からこちらをいぶかしげに見つめている。

新たな建造物としてイグルーが追加された。イグルーとは氷でできたかまくらのようなもののことで、これまでにあったピラミッドと似た建造物になっている。中は生活空間のようになっているが、村人ゾンビが幽閉された地下室が備えられていることもある。氷イグルーは雪原バイオームと極寒タイガバイオームにおいてランダムに生成される。

もう一つ大きな変更としてあげられるのがサウンドだ。いくつかの新BGMが追加され、これまでのBGMのアレンジバージョンから全く新しいものまで用意されているので実際にプレイして体験してほしい。また、聴覚障害を持っている方のために、クリーパーの爆発音やモブの鳴き声などのサウンドに字幕が付けられるようになった。字幕の位置によってどの方向から音が鳴っているのかがわかるので、安心してプレイできるだろう。

また、ビートの根というスープにできる食べ物や、紫のブロック、新たな植物などが追加されているほか、醸造台を起動するのにブレイズロッドが必要になっていたり、エンドの世界が拡大していたり、エンダードラゴンを召喚することができるようになっていたり、さまざまな変更もおこなわれている。

ドラゴンの頭や紫のブロックが追加され建築の楽しみも広がった。
ドラゴンの頭や紫のブロックが追加され建築の楽しみも広がった。

3か月前にはコンソール版のアップデートがおこなわれた『マインクラフト(Minecraft)』。PC版も昨年5月から告知されていた大型アップデートが無事に実装された。戦闘面の強化だけでなく、滑空要素によって空の楽しみ方が増えたのも嬉しい。ゲームだけでなく関連書籍などの売上も絶好調なようで、2016年も全世界の人々が“マイクラ”に興じる年となりそうだ。