日本のインディーデベロッパーP6Gameは、開発中の和風ホラー戦略ゲーム『J-Room』のクラウドファンディングを開始した。『J-Room』は、PC(Steam)向けに、2025年3月下旬を目途にリリースされる予定だ。対応言語は英語と日本語で、価格は480円(税込)となる。
本作は、ギャンブル性が高めなターン制の戦略的ゲームと標榜されている。本作の舞台となるのは、和風ホラーの雰囲気を持つ謎の世界「J-Room」。この世界に閉じ込められた主人公は脱出を目指し、独特な面をつけた人型の異形に対し武器を用いて戦いを挑むという。
本作には銃、刀、兜の3つの攻撃手段があり、それぞれに攻撃の成功率が高い、与えるダメージが多いなどの個性がある。そして銃、刀、兜の三つの間にはじゃんけんのような、三つ巴の関係がある。刀は銃に強い、銃は兜に弱い、兜は刀に強いなど、それぞれに対して相性があるようだ。相手がどの手を出すか、自分はどの手を選択するのかといった心理的な読み合い以外にも、戦闘に影響を与える「判じ絵」というカードが存在する。
「判じ絵」を用いると、敵が銃、刀、兜のうちどの手段を取ってくるかの確率をある程度操作ができる。判じ絵を上手く使用して敵の行動を操作しながら、戦いを制していくというシステムになるようだ。またゲーム内では戦闘だけでなくさまざまなイベントも発生する。なぜ主人公が「J-Room」に閉じ込められることになったのか、独特な面をつけている人型の異形は何者なのか、その答えが分かるかもしれない。
『J-Room』は8月上旬にトレイラーも公開されている。底知れない不気味さや不安感のある独特の世界観をうかがえるだろう。ゲーム本編でどのような刺激のある恐怖体験ができるのかにも注目したい。
開発元であるP6Gameは以前、ホワイトウェアという名称でスマートフォン事業を展開しており『パトランプ抽選アプリ』『心の病診断アプリ』『精神カミサマ』『ねこぱちっ!-猫図鑑を作ろう-』をリリースしていた。今回はSteamにて、カジュアル×刺激をコンセプトとした『J-Room』をリリースするためにクラウドファンディングキャンペーンを始めたとのこと。
なおCampfireのクラウドファンディングページによると、P6Gameの代表である川合祐輔氏は自身がうつ病であることを公表している。同氏は10代後半から精神的に追い込まれるような状況にあり、そのことを誰にも相談できず一人で抱え込んでしまっていた時期があったそうだ。ただ長期に渡って「自分のやりたいこと」ができず、さらに苦しんでしまっていたと語っている。だからこそ今は「自分のやりたいこと」をやりつつ、その活動によって色んな人々によい影響を与えたいとの想いを明かしている。また2016年からは精神科への通院を経て治療を続け、現在は状態も安定しているという。『J-Room』はそんな同氏の新たな目標として開発されているようで、今回クラウドファンディングにて支援が募られているかたちだ。
心の不調というのは苦しく、完全な治癒も難しい。ほぼ一生をかけて根気よく付き合っていかなければならない事柄だ。何かを作るというのも心身が削れる行為な上、その作ったものを売りに出すのならなおさら、魂を削る勢いで制作を進めなければならない。どうか無理せず開発をしてほしい。
クラウドファンディングのページによると、ゲーム制作の進捗は7割ほどで、残りはほぼプログラミングなどの作業のようだ。クラウドファンディングで得た資金はゲームの開発・運営費と広告費に充てられるとのこと。本プロジェクトを支援すると、ゲームのクレジット画面で名前や広告名が掲載され、広告名のクリックで広告先のホームページを開くなどの設定がされるようだ。興味のある方はぜひ支援をしていただきたい。
『J-Room』はPC(Steam)向けに2025年3月下旬に配信予定だ。対応言語は英語と日本語、価格は480円(税込)となる。興味のある方は本作の公式Xアカウントをフォローして、最新情報をチェックすることをおすすめする。