壁や天井まで走れる、ミサイルで敵と地形を粉砕可能。カオスな戦闘レーシングゲーム『GRIP』のKickstarterキャンペーンが開始


開発スタジオCaged Elementは、アクションレーシングゲーム『GRIP』のKickstarterキャンペーンをスタートした。初期目標額は、およそ50万ドルに相当する65万7000カナダドル。今年7月にもAUTOMATONで紹介した同作は、1999年にリリースされた『Rollcage』というシリーズの精神を受け継いだタイトルだ。プレイヤーは壁や天井を走ることができるコンバットカーに乗り、ガトリングガンやミサイルで敵と地形を粉砕しつつレースで勝利することを目指す。

参考記事: 『Grip』最大時速700kmで弾丸とミサイルが乱れ飛ぶ、超高速のガンコンバット&カーレースアクション

死と大金が隣り合わせのアングラレースで生き残れ

『GRIP』のストーリーは、現在我々が生きている21世紀初頭から始まる。当時流行していた小さな違法レースは、車両技術の進化と共により高速かつ危険になり、アングラのサブカルチャーへと成長していった。「GRIP」と呼ばれる海賊テレビチャンネルにてレースの様子が放映されるようになると、ブラックマーケットを通じて広がるサブスクリプションやギャンブルで、市場は一気に拡大してゆく。大金が動くようになると、ほどなくしてレーサーたちは車両を武器や装甲で改造するようになる。プレイヤーはレーサーの一人となり、政府の監視の目から逃れるためさまざまな惑星で実施されている死と大金が隣り合わせのアングラレースに参戦することになる。

「敵の車体を吹っ飛ばせたら」とレースゲームをプレイ中にいつも熱望しているのなら、恐らく『GRIP』はあなたにぴったりのタイトルといえるだろう。プレイヤーは自身でチューンナップしたコンバットカーに乗り込み、最大時速700kmの超スピードの世界で最速を目指す。ガトリングやミサイル、あるいは地雷やEMPなど攻撃手段が豊富にあるのが特徴で、目の前の敵が目障りならば攻撃して足止めしたり、あるいは場外に吹き飛ばしてしまえばいい。『GRIP』では、敵を叩きのめすことは正義である。

このほか『GRIP』の特徴としては2つあり、1つは車両が壁や天井なども走ることができるという点。トンネルなどでは360度どこでも走破することが可能で、既存のレーシングゲーム以上の空間把握能力と酔わない力がプレイヤーには求められる。またもう1つはコース上の一部オブジェクトが破壊可能という点で、トレイラーではトンネルにある支柱やバリケードを破壊する様子が確認できる。破壊されたオブジェクトの残骸はしばらくコース上に残るようで、上手く使えば前を進む車両の足止めなどにも利用することができるのかもしれない。

初代『Rollcage』には「Fatboy Slim」などのアーティストたちが参加し楽曲を提供していたが、今作『GRIP』でも「Technical Itch」や「Sol Incivto」といったアーティストたちがBGMを製作する予定だという。またCaged Elementのコアメンバーには、Robert Baker氏やDavid Perryman氏といった『Rollcage』の開発者たちが在籍している。

『GRIP』は2016年の終わりまでに完成を目指している。対象プラットフォームはPC/PS4を予定しており、早期アクセスでの展開も予定されているようだ。


初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。