『Diablo II』偽サイトの登場で再熱するリメイク待望論。ファン製作Modの追い風となるか

 

ハック&スラッシュ系アクションRPGの名作『Diablo II』が2000年にリリースされてから早16年。ファンに愛され続けている作品であり、続編『Diablo III』が世に出た今でも、リメイク版を望む声は多い。2016年はDiabloシリーズの20周年記念でもあり(US版の初代『Diablo』は1996年12月31日発売)、今年こそリメイク版が発表されるのではと、Redditやbattle.net上のフォーラムでは、胸に期待を寄せたファンたちのやりとりが続いている。そんな中、『Diablo II』HDリマスター版の存在を匂わせるティザーサイトが現れた。

 

ファンの心をもてあそぶ偽ティザーサイト

“Evil has survived”という意味深な言葉と、BlizzCon 2016の開催日に向けたカウントダウンタイマーと共に突如として浮上した謎のティザーサイトdiablo2hd.com(本稿執筆時点で当サイトは削除されている)。さっそくDiabloファンの間では話題となり、海外フォーラムRedditでスレッドが立ち上がったが、一部のファンがサイトのソースコードやIPアドレス、ホスト情報を解析した結果、Blizzard Entertainment(以下、Blizzard)が公式に手がけた可能性は低いと推測された。

その後PC Gamerが直接Blizzard担当に真偽のほどを確認したところ、やはり正式なサイトではなくBlizzardは関与していないことが判明した。期待を寄せていたファンにとっては残念な知らせとなったが、今年3月には2011年以来となる最新1.14aパッチが公開されており、まだまだ『Diablo II』の未来は閉ざされていない。

昨年BlizzardがDiablo関連の未発表プロジェクトに向けて人員を募集したことから、『Diablo II』絡みではないにしろ、近いうちに何かしらの発表がある可能性は高い。ティザーサイト騒動は騒ぎ損に終わったが、11月4日と11月5日に開催されるファンイベントBlizzCon 2016が注目すべきイベントであることに変わりはないだろう。

 

ファンの手で蘇るディアブロの世界

11月のBlizzCon 2016まで待てない、という方には朗報がある。今年4月に『Diablo II』の世界を再現したファン自主製作の『The Curse of Tristram: Destruction’s End』トレイラーがメディアで取り上げられたが、順調に開発が進んでおり、9月下旬から10月初旬にリリース予定となっている。

本作は『StarCraft II』のエンジンを利用したModとして製作されており、Battle.net.Arcadeにて公開される。完全なリメイクではなく『Diablo II』の世界観や戦闘システムを3Dエンジンで再現しつつも、ストーリーはオリジナル。『Diablo II』の拡張パック『Diablo II:Lord of Destruction』のラストで大天使ティラエルがワールドストーンを破壊したところから物語がはじまる。また、全マップ・クエストを一挙公開するのではなく、何章かにパッケージを分けて公開。第一弾にはPvEエリア6つとPvPエリア1つが含まれる予定だ。なお、Mod自体は無償だが、『StarCraft II』を所有していないとプレイできない点には注意。

『StarCraft II』のアセットを利用しているためUIは『StarCraft II』のものだが、世界観はうまく『Diablo II』に寄せられている
『StarCraft II』のアセットを利用しているためUIは『StarCraft II』のものだが、世界観はうまく『Diablo II』に寄せられている

こうした大規模なModは途中で頓挫することも多いが、開発者のegod123氏はFacebookおよびクラウドファンディングプラットフォームのPatreonにて精力的に情報発信を続けている。今年8月にはPatreonの出資者向けにアルファ版テストを実施し、現在は9月の第一弾リリースに向けて最終調整中だ。Blizzard公式の『Diablo II』リマスターが実現するまでは、こちらのModを楽しむのも手だろう。