ゲーム内で死ぬたび自分の血液が抜かれていく。常軌を逸した“吸血”周辺機器「Blood Sport」がバルセロナのゲームイベントに出展


ゲームプレイヤーの血の気が他の趣味を持つ人々より多いかどうかはさておき、「ゲームでデスするたびに自分の血液が抜かれる」と聞いて気分の良い人は少数派なのではないだろうか。しかし「死ぬたびに血を抜かれる」という常軌を逸したゲーム周辺機器は実際に存在し、10月6日から9日にスペインで開催されるゲームイベント「Barcerona Games World」において出展される予定になっているとのこと。まだイベントの出展者リストには記載されていないが、以下のショッキングな内容のティーザートレイラーにて登場することが予告されている。

https://www.youtube.com/watch?v=eDvks5c3g5U

ナレーション「こいつはジョン。
ジョンはいい奴だが献血はしないで、ゲーム内で血を無駄に流している。
だから我々は無駄にしてる奴の血を有効活用することに決めた」

とてもまともな神経で作ったとは思えないこの映像。ただ、この献血システム自体は2014年に「Kickstarter」で資金を集めようとしていた既存のプロジェクトである。構造はいたってシンプルで、「Arduino基盤がコントローラーの振動に反応し、プレイヤーの腕に刺した献血用針から血を抜く」といったもの。当時はファンディングを開始してすぐに倫理的見地から資金集めは中止になったが、彼らはまだあきらめていなかった模様だ。もともと顧客ターゲットを個人ではなく病院に設定しており、病院で「献血ゲーム大会」を開くことを目標にしていた。

「死んだら蘇ってまた始めることができる。それが戦争ゲームの基本だ。だけどそんなこと現実ではないんだ。戦争ゲームで血を失ったら現実でも失うかい?僕らはそれを君たちに提供するんだ。遊び、死に、献血する。若者たちに戦争ゲームの軽薄さと献血の必要性を気付かせることができるし、その上に負けた方が支払う血は苦しんでいる人々に届けられることになるんだ」と動画説明文にはあり、常人には到底理解が及ばない思想ながらも、彼らには彼らなりの目的意識はあるようだ。

心なしか目がうつろになる「Blood Sport」使用時のプレイヤー
心なしか目がうつろになる「Blood Sport」使用時のプレイヤー

2015年にはデンマークの献血団体が献血の見返りとして『Bloodborne』が貰えるキャンペーンをおこない話題になったが、少なくとも精神的なインパクトという点では「Blood Sport」に軍配が上がるといえるだろう。

ある意味VRの最先端といえなくもない「吸血周辺機器」。「デスゲーム」を行わせることによって社会に貢献していくという発想が「PLAY,DIE,DONATE」のキャッチフレーズと共に社会に受け入れられるのか否か、反応を見守りたい所ではあるが、2014年にKickstarterで目標出資額約2600万円に対して集まった金額は約35万円と、少なくとも2年前の人類には受け入れられないものだったようだ。